食堂の親父さん | 生命エネルギーが輝き出す、ゆらゆら美容整体。銀座美容オステオパシースクール&直営サロン『terra』

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生命エネルギーが輝き出す、ゆらゆら美容整体。心地良い独自のローリング技術で、骨から調える美容整体と、心身の疲れを取る癒しを、贅沢にひとつにした美容オステオパシーです。心と身体と魂を、ほんの少し見つめませんか?施術の中から観えるものを、ツラツラと綴ります。

田舎の片隅で50年近く、
小さな大衆食堂を営んでいる親父がいる。

食堂の親父なのに、晴れた日には家の前でローラースケートをする。
食堂の親父なのに、夜になると望遠鏡を引っ張り出し天体観測を始める。
食堂の親父なのに、そこそこの英語を話し、外国人を見かけるとすぐに友達になる。
食堂の親父なのに、海に行けばシュノーケルひとつで沖へ出て、しばらく戻ってこない。

端から見ると少し変わり者だったのかも知れない。幼少の頃は、そんな父にべったりの私だった。

父は長崎県の壱岐という島の出身で、高校卒業後すぐに、所持金500円で福岡に出て来たという。
電気屋の住み込みで働き、その後母と結婚して二人で小さな食堂を開いた。

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どんだけ父が好きだったんだろう(笑)
貧乏だけど明るい両親と。


やたらと多趣味で、食堂の親父なのに木彫りの彫刻もする。山に落ちている木の枝に彫り込んで登山用の杖を作り、人に欲しがられるとすぐにあげてしまう。
抽象の作品で賞を取って美術館に飾られたこともあるのに、そのことを人には話さない。

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登山用の杖。


学歴や地位、文化などには全く無縁の父だったが、「父に聞けば何でも知っている」、そう思わせるような親父だった。

自己顕示欲がまったくなく、
それでいてとても自分らしい父。

これって簡単そうで実はとっても難しい。
欲にまみれた経済中心の世の中、それぞれのエゴで彩られた社会の中で、私が、「こんなふうにありたいな」という姿を、まさに生きている父。

情けないことに、
東京に来てから初めて気付いた。

そんな父から、社会常識や一般常識について教わったことはひとつもない。
「こうしなさい」と命じられた記憶がひとつもないのだ。

何がいけない、何がいい、なんてことは、教えられるものではなくて、自分で見て感じるものなんだろう。私は父を見て育った。

小学校の時、学校から帰って来て父に聞いたことがある。

「ねえ、宗教ってなあに?うちは何宗なの?」

父は高らかに「うちは無宗教!」と言ったっけ。

「自分で考えなさい、自分が信じる道を」
それがきっと父の教え。そしてそこに本当の自由とか、豊かさがあるんだろう。


父が送ってくれた母との写真を、本棚に何気なく飾っていて、今日、ふと裏返してみたら、父の筆跡で何やら英文が書いてあった。

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空高く飛ぶ鳥!
どんな気分か分かるだろう?

空には太陽が!
どんな気分か分かるだろう?

自由に流れる川
木々の花は咲き
陽射しを目指してトンボが舞ってる
言いたいこと、分かるよね?

蝶が太陽に遊んでる
分かるよね?

それは新しい一日
それは僕にとって新しい人生
そう、僕は気分がいいのさ!

みたいな感じ?(^-^)
調べてみると、どうやらニーナ・シモンの歌詞らしい。

父にジャズ鑑賞の趣味があったとは聞いたことがないが……
母と二人で寅さん映画を鑑賞するのが好きだった父が……

新たな趣味が増えたのだろうか(笑)


☆お読み下さり、感謝致します。☆