小児弱視と診断されたﾘﾄﾙの治療
当時はあの治療の日々を
途方もない時間のように感じていました
そんな中
毎日のように眼鏡屋さんに通うという行為を
離婚話が進まず苛立つ元の旦那さんに
真正面から咎められ
信念があってそうしていたﾊｽﾞなのに
酷く落ち込んだ私
それには理由がありました‥
前回まではｺﾁﾗ
最初から読む方はｺﾁﾗ
それはある日
保育園に子供たちをお迎えに行った時のこと
玄関に入ったところで
担任の保育士さんに呼び止められ‥
お母さん‥ちょっとｺﾁﾗへいいですか？と
いつも子供たちと対面するのとは
別の入り口に案内された
そこからはお迎えを待つ子供たちが
遊ぶ姿が見える
まだ私が迎えに来たことを知らない
ﾊﾅとﾘﾄﾙもその中に居た
ﾊﾅちゃんのこと見てみて？
そう言われてﾊﾅの姿を探す‥
え・・・？
広いﾌﾟﾚｲﾙｰﾑの一角に
低い机と椅子をｸﾞﾙｰﾌﾟ型に
4つ向い合せたものがいくつかあって
ﾊﾅはそのうちのひとつに
ﾎﾟﾂﾝと座っていた
机の上には‥何もなく
でもﾊﾅは手を膝の上に置いてちんまりと‥
つまり独りぼっちで居たのです
その様子に驚く私に
保育士さんは言いました
あのね 仲間外れとかじゃないの
ﾊﾅちゃんこのごろ時々自分から
ああやって一人になってね‥
耳で保育士さんの声を聴きながら
私は更に愕然とした
右に顔を向けて
小さく小刻みに何度も頷きながら
ﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞ‥
次は左に顔を向けて同じように頷いて
ﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞ
ﾊﾅは一人でそんなことを
何度も何度も‥何度も繰り返していた
実際にはﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞは聞こえない
でも私にはわかった
何があってもどんなに困っても
どうしようもなくても
ﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞ
そう言うのがその頃の私の口癖だった
一日に何度も･･
自分にも言い聞かせるように
子供たちに言っていた
ﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞ ﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞｮ～
あれ、なんか言ってるでしょ？
保育士さんはわかっていないようだった
よくよく見るとﾊﾅは声を発してはいなくて
頷きながら口だけをﾊﾟｸﾊﾟｸとさせていた
その光景に一気に涙がこみ上げ
そして保育士さんの言葉で決壊した
あれね、ごめんねお母さん
あれﾁｯｸの一種だと思うの
一日に何回かああやってるんだけど
お家ではしていない？
･･･考えても考えても思い出せなかった
最近家でﾊﾅがどんな様子か
‥していないと思います‥
でも、わかりません
気付けていないだけかもしれません
自信がなかった
週に6日保育園に預け
出張があれば保育園に居る時間は12時間
仕事を終えてもﾘﾄﾙのﾒｶﾞﾈを直しに連れまわし
帰ったら急いで食事を食べさせ
ｽｸｰﾙのある日はまた託児所
自分は服を着たまま2人をお風呂に入れて
早く寝かさないとまた喘息を出す‥！
と焦ってﾊﾞﾀﾊﾞﾀと寝かしつける毎日‥
2人が眠ると毎夜･･
いや時には一晩に2度家を空け･･
喘息が出れば朝ｲﾁで病院へ行き
吸入や点滴でごまかして
時間ｷﾞﾘｷﾞﾘに保育園へ預けて
そしてまた仕事‥
ﾊﾅがなぜﾁｯｸを出しているとか
そうなるどんなｽﾄﾚｽを抱えているとか‥
保育士さんに尋ねられても
答えることが出来なかった
多分私はあの頃ﾊﾅに
まともに目を向けられていなかった
お家で‥なにか大変なこと
ありますか？
いつも忙しいと思うけど
その他にはなにか･･？
力になれることはありませんか？
ﾘﾄﾙの眼鏡をほぼ毎日調整に行っていることは
その時は言わなかった
あなたが片目を隠すのはﾀﾞﾒだと言ったから
毎日直しに行っているんです
というﾆｭｱﾝｽになってしまいそうだったから
大変なこと、、そんなもの山ほどある‥
でも話せなかった
私の子供のことだ
誰のせいにも出来ない
すみません‥ありがとうございます
少しﾊﾅを気を付けて見てみます
そう言っていつもの入り口に向かい
私に気付いて駆け寄ってきたﾊﾅを抱きしめた
続
続きはｺﾁﾗ
ﾅﾂ