前日雪が積もって、とっても寒い朝だった。
6時ごろ始まった陣痛は、あっという間に強くなり始めて、
助産師さんが到着した1時間後には、5分間隔になっていた。
そのあとは、家の薪ストーブの横に布団をひいて、陣痛ウエイブに身をまかす。
さらに1時間後、家族と助産師さんが見守る中、
するりと産まれてきた。
自宅で産むのは2度目だったので、
自宅だから、という不安はなかったけれど、
立ち会ってくれた助産師さんは、
月に一度会うたびに心に残る話をしてくれた。
「赤ちゃんの危険信号を一番早く察知できるのはお母さん。
自分の内面も身体面も、客観的に注意深く観察するクセをつけることが大事。」
「産むのはあなた。お産の時は周りを気にせず、とにかく自分に集中して、
いきみたい時にいきんで、自分でラクと思う姿勢になればいいの。」
「優等生になろうとしないこと。お産を通じて女性ってとても変わる。
正直な自分を受け止めるチャンスと思って。」
この助産師さんとの出会いは大きかった。
それまで2回とも、リードしていくタイプの助産師さんだったので、
助産院でも自宅出産でも、私はその指示をあおいで、指示に従うお産だった。
Jirのお産は、自分らしいお産というものがどういうことなのか、
自分のお産とどう向き合うのか、
気づかせてもらうことのできて、私にとって貴重な経験になった。
自分で胎盤を産んだのも初めてだった。
ひっぱったりしなくても、40分ほどたつと自然に軽い痛みがきて、
もうすでに下腹の力は使い果たした感じでいきめないのに、
それでもなんとかがんばっていきむと、するんと出てきた。
そしてへその緒は、拍動が完全に止まるのを待ってから切った。
この時の経験は、3年後、笑’を助産師さんの付き添いなしに
家族だけで迎えた時に、とても役立った。
胎盤を食べたのも、この時が初めて。
冬だったし、胎盤は冷蔵庫を使わない我が家でも、常温でももったので、
その後、数日かけて食べた。
焼いてもらって、しょうが醤油で食べたのが一番おいしかった。
ああ、2回分、もったいないことをした、とか言いながら、
ふだんお肉を食べない私がガツガツ食べている姿に、
子ども達や時満くんは驚いていた。
産まれてしばらくはおとなしかったJirだけど、
動くようになったら、やんちゃ&ワイルドぶりがあふれだした。
どこぞから落ちたり、飛び降りたり、練習なしで宙返りをしたりして、
骨を折らなかったのが不思議なくらい、なにかやらかしていた。
気が強くて、負けず嫌いだから、
同じ種族の母とは、一番喧嘩したね(^^ゞ。
そんなJirが、もうすぐ自分の家を完成させようとしている。
忍耐強くなり、自分のペースをつかんで、周りに振り回されなくなってきた。
仲良しの友達もいて、刺激を受け、
着々と自分に自信をつけていっている。
そして、ここしばらくのめりこんでいる大相撲。
場所ごとに熱が入って、
今場所は、番付表を作って、
4時になると、四股を踏んで、ラジオの前に座る。
それから2時間、片時もラジオから離れないで集中して実況放送を聞く。
笑’も大いにこの兄の影響を受けていて、
黒星白星を書き込んで、翌日の対戦相手もチェック。
お好みの力士の番になると、やっぱり四股を踏んで気合を入れる。
6時までは、毎日こうやってラジオに釘付け。
家でお相撲を取る時は、まわしをつけ、
相手にも勿論つけてもらう。
ちなみにこのまわしに使っている帯は、
家作りの時に使う畳の断熱材を取る時にはがした畳縁。
こんな本を毎日飽きずに何度も読み返しては、
数日後の国技館行きを、心待ちにしている。
特に応援している力士は、相撲界でも今期待がかかっている稀勢の里と御獄海。
今場所は2人とも成績が良いので、楽しみ加減もひとしお。
今週のJir誕生日週間は、時満くんも醤油搾りの日程を入れずにスタンバイ。
昨日はスキーへ。
誕生日当日、今日のごはんは、3食事すべてJirのリクエストメニュー。
そして明日からの埼玉への帰省は、お相撲の日程に合わせて組んだ。
12歳おめでとう。
産まれてきてくれて、ありがとう。
これからも、自分のやりたいこと、自分の世界を大切にね。