最近笑’が手を真っ赤にして

「しびれるぅ~。めっちゃ冷たい~。」

と、家の前の道を行ったり来たりするのを見ていた。

  

数日前、

「なっつんつん、長ぐつはいて、ちょっとみにきてよ。」

と呼ぶのでついて行ったら、

 

「ここのね、落ち葉とか木とか石とかどかしてね、

沢の水がきれいに流れるようにしてんの。

結構いいかんじになってきたでしょ。」

 

言われていれば、記憶より沢の流れが見えるようになった・・かも・・(^^ゞ

  

なにもこの寒い時期にやらなくても・・・と内心笑いつつ、

でもきっと、なんだか思いついてしまったことなんだろうな・・、と思う。

  

ここは家の入口、

家から100mもしないところにある小さな沢で、

いつも道路脇から眺めて通りすぎるところ。

 

春に葉わさびを採るために降りる以外、用事がないし、

特に沢の上の方は踏み入ったことがなかった。

  

「ここは石を並べてせき止めて、ちっちゃい滝を作るの。」 

  

寒いより冷たいより、滝が作りたいのね。ヽ(;´ω`)ノ

 

 

「道からこっちをみるのと、ここから山の上の方みるのと、全然ちがうよ。」

   

確かに、

ガードレールの向こう、アスファルトの道から沢を眺めるのと、

沢の脇を少し歩いて登った場所に立って山を見上げるのとでは、

随分印象が違う。

 

「ここはいい場所だよ。」

  

「どうやって、こんなに水が集まってきて、ずっと流れてるんだろ?」

 

道路まで戻ってきてから、

「ここは笑’の場所にしよう。いいでしょ?」と言う。

 

ここはうちの土地ではないけれど、

地主のおじさんもおばさんも、

これを聞いたら、きっと笑ってOKしてくれるはず。

  

うん、いいよ、と返事をしたら、

にこにこして、手を握ってきた。

  

「だってさ、FuもWacもJirも、みんなおうち建てて、自分の場所があるけど、

 笑’はないんだもん。」

  

そっか。

兄達見てて、自分の場所っていうのが欲しくなったんだね。

 

じゃあ、ここが笑’の場所に決まってよかったじゃん、

と話したら、 

うん、と言ってこっちを向いて、また顔全体が笑顔になってそれから、

つないでいた手を放して、家の方へ走っていった。

 

8歳と半年。

そろそろ手をつないでくる事も、なくなっていくんだろうなあ。

と思いながら、

真冬に水遊びをする娘の姿にほっこりした、ある日の午後。