映画「世界一不運なお針子の人生最悪な1日」を観た。
登場する現金ケースは、やや小さめではあるが、日本円だと1億円が入るくらいの大きさである。100スイスフランは約20,000円だから、およそ2億円は入っている計算になる。スイスの物価が日本の2倍だとしても、1億円くらいの価値がある訳だ。
これは女神の贈り物か、はたまた悪魔の試練か。近くにはバイク2台と男二人が倒れていて、どう考えても尋常な状況ではない。そんな状況に鉢合わせしたのが、母を亡くして間もない天涯孤独のお針子バーバラである。
設定そのものに位置エネルギーがあって、どう転ぶかわからない。誰もが、自分ならどうするかを考えながら鑑賞することになる。さて、バーバラの決断は如何に。
途中までは一本道だったが、そこからの展開に、優れたアイデアが感じられた。25歳の若い監督は、脚本も演出も才気煥発だ。人生は上手くいかないものだという老成した世界観を、若い女の子の選択に委ねる。面白かった。




