クラウンを車検に出してる間お借りしていた代車です。

 

一度は乗ってみたかったクルマです。

お店にこの代車があることを知っていたので事前に指名させていただきました。

こんな面倒くさい客は私くらいしかいません。

 

スペリアホワイトのアルトバン(HA25V型)です。グレードは「VP」となってます。

2009年に登場した歴代7代目です。

4ATの4WD仕様でアルトバンの中では最も高価な仕様となってます。

個人的にバンモデルこそがアルトの本流と思ってます。

現行モデルからバンが消滅してしまい残念。

 

それでは中を見ていきましょう。

前席側は一体型バケットシート。

現在主流のベンチシートよりもドライバーズシートだと思います。

ワゴンタイプではないため着座位置も自然で、軽自動車らしくない感じがします。

バンでありながらシート生地はファブリックで、ビニールではありません。

サイドブレーキも昔ながらの場所にあって良いですね。

 

当然のようにハンドパワーウィンドウ。

 

おまちかねのスパルタンなリアシート。

現代の広々リムジンシートの軽しか知らない人からしたら衝撃的ですね。大人は乗れません。

買い物した荷物やワンちゃんの特等席ですね。

90年代まではこういった4ナンバー軽も多かったです。

我が家にあったホンダトゥデイもこんなんでした。当時4歳の私が狭いと思ったのだから間違いない。

あの頃、ワゴンRやムーヴはハイソな軽でミラやアルトの4ナンバーがまだまだ主流だったかと。

 

その分、トランクスペースは広い。

 

HA25V型のバンは後席の窓もハンドパワーで開閉可能です。

後継のHA36Vでは開かなくなりました。これはアドバンテージ。

 

昔ながらのフロアシフトです。O/D付き4AT。

下にコインホルダーが付いてます。

これがまた良い。CVTには無い、心地よい走りを提供してくれます。

 

フロアマットは市販のカーペット風で自作かと思ったら「ALTO」ロゴ入りの純正品でした。

スズキでは「ジュータンマット」と呼んでるやつでしょうか。

 

インパネはセダンタイプと共用なのか商用車感が無いですね。バンでもエアコン装備。

 

タイヤサイズもこの世代から145/80R13になりました。現在主流の外径サイズです。

新車で200万以上する何とかカスタムに装備されている165/55R15とも互換サイズです。

ちなみに装着されていたタイヤはダンロップの「DSX-2」。

私が中学生の時にCMが流れていました。ドリカムの曲だったかな。ダンロップは先に行く。

これだけでヤバさが伝わる人には分かるでしょう。でも溝があるからヨシ!

4ナンバーですが、軽トラと違い普通の乗用タイヤを使えるのはメリットです。

 

そんなこんなでアルトバンを借りることが出来ました。

いつも代車はワクワクします。代車大好き。

 

先ず結論から言うと、旧世代のK6Aエンジン+古典的な4ATの走りは素晴らしいです。

この世代のアルトは低燃費仕様の新エンジンR06A+CVTのアルトエコが出たり「燃費」が重要視されていた時代です。

しかしアルトバンはコストと信頼性重視なのか新エンジンやCVTは採用されませんでした。

それが良いのです。私が求めていた走りの愉しさを持っています。

CVT軽自動車にありがちな「もっさり感」、「回転が先走ってる感」がなくアクセルの踏み方通りのダイレクトな走り。

加速時のトルク感もあり、タコメーターはありませんがエンジンの頑張り具合が伝わってきます。

さらに今では当たり前に装備されているABSも付いていません。

アイスバーンでブレーキを踏み込むとそのまま滑っていきます。ですが逆にコントロールしやすいのです。

スタッドレスタイヤが前記のアレですが、恐怖を感じませんでした。

免許を取って初めてのマイカーである旧規格時代のホンダライフの感覚がそのまま。

滑るとブレーキを踏ませてくれないABSよりも自分で何とか出来る方が好きです。

ブレーキの踏み方次第ではタイヤのグリップ力を最大限に引き出せるのです。

雪道、ドライ路面と1週間程走ってみて、アルトバンの魅力を体感出来ました。

弱点は80km/h以上では騒音が煩いのと、145タイヤのせいかハンドリングは微妙かも。

大袈裟ですが、クルマが生きている。運転している感覚が強いです。この感覚を近年のクルマで味わえるのは貴重です。

近いクルマでは初代ハスラーの5MTに乗っていた私ですが、このアルトバン4ATの方がダイレクト感は上です。

ハスラーの5MTも面白いクルマでしたね。でもアルトバンの方がFun to Driveはあるかな。

横滑り防止、自動ブレーキ、そんなモンとは無縁のアルトバン、ホント楽しいクルマでした。

煩わしいアイドリングストップも無し。

 

片道130km程走った時の燃費。

ちなみにメーターの燃費計では19.7km/Lと表示されていましたが

実測値は20.2km/Lでした。スズキ大好き。

自分勝手なエコドライブは嫌いなので、流れに乗ってアルトバンを走らせてもこの低燃費。

軽量なボディとトルクが強いのか粘りがありパワー不足は感じなかったです。

走行前にアイドリングをする冬季の通勤のみでも13.2km/Lを記録。十分エコカーです。

 

ちなみにバンでもメーター周りは賑やか。

 

1週間乗ってみて本気でこのクルマが欲しくなりました。

クラウンよりも圧倒的低燃費、軽バンならではの税金の安さ。セカンドカーとして導入してみるのもアリかと。

高齢なクラウンの消耗を抑えるのと、燃料代節約、故障等に備えて2台ある安心感を求めて。

実は後日交渉してみました。思っていたよりも高かったので断念。笑

後継のHA36V(最後のアルトバン)でも2018年の一部改良まではABS無しだったようです。

これの5MTの2WDなら新車で約70万円でした。スズキの良心。最安のスパルタンマシン。

クルマが好き、運転が好きなら一度検討してみる価値はありそうです。