パナソニックのCDラジカセ、RX-DS303です。

 

1992年発売、定価41,000円。

シングルカセットでコンパクトサイズなCDラジカセです。

有名なRX-DT909、DT707、DT505と同じ世代ですが、変わり種モデルでしょう。

 

操作系はセンターにまとまっています。

なんと液晶にバックライトが搭載されています。当時のラインナップとしては異例。

最上位モデルの「RX-DT909」でようやくELバックライトが搭載されるレベル。

普及機でバックライトが付くのはまだまだ先でした。

ファンクション操作が青緑色で分かりやすいですね。上手くまとまっていると思います。

電源もリモコンで操作できるタイプ。機械的に押し込む安いタイプではありません。

左右対称にあるTIMERとTONEボタンが金色というのもw

 

その液晶バックライトですが、使用するソースで色が変わります。

先ほどはCD使用時でグリーン、テープだとアンバーに変化。

 

ラジオ使用時はレッド。

ホワイトバランスの関係でアンバーっぽいですが、濃いめの赤です。

前記のようにバックライトが付くだけで特別なのに、ここまで芸が細かいとは・・・

TONEコントロールはL、0、H1、H2の4段階切り替えのみ。

個人的には「H1」がちょうどいいかと。ややハイ上がりで聴きやすくなります。

XBSは非搭載なので低音は物足りないです。

 

このエレガントな「Remote Control」の表記は結構有名なのかな。

もちろん、パナソニックでお馴染みの全操作が出来る全身リモコンが付属されています。

シングルカセットデッキはオートリバース搭載。メタルは再生までっぽいです。

CD録音に便利な「ATLS」(自動録音レベル設定)も搭載されています。ドルビーNRは非搭載。

 

スピーカーはお馴染みの10cmフルレンジ。

分解していませんが多分エッジが硬いタイプ。

DT505のウーファーユニットと同等でしょう。

いわゆるバブルラジカセらしさは全く無い音です。せめてXBSがあればなぁ。

ダクトも付いていてバスレフっぽいですが、重低音は無理です。

一応バブルラジカセ?なので音に期待して購入したら想像と違うかも知れません。

 

 

CDはトップローディング。フラットな上面ですね。

92年発売で「DIGITAL」表記は完全に時代遅れですね。

下位モデルだから強調しておきたかったのでしょうか。

 

後姿。

 

端子はマイクとヘッドホンのみ。CD OUTすらありません。

 

消費電力27Wは上位のDT505と同じ数値です。

松下電器産業株式会社。Made in Japan。

 

単独で撮影しているとサイズ感が掴めないですが、コンパクトなんです。

兄貴分の「DT505」と並べてみると幅は2/3程度しかありません。

その分高さ方向が大きいですが、バブルラジカセとしてはかなり小さめでしょう。

 

コブラトップ第二世代になるDT909/707を始め、個性派揃いな91~92年モデル。

バックライトが付くのはこのハイエンドな「DT909」とエントリーの「DS303」だけ。

トールボーイで箱型なラジカセですが、各所に曲面が取り入れられたデザイン。

 

当時のパナソニックは横長で、平べったいスタイルが主流でした。そんな中で突然変異したのが「DS303」。

売れ筋はダブルカセット機なので、シングルカセット機は冒険が許されたのでしょう。

横幅が小さいのが特徴で、CDラジカセが欲しいけどスペースが足りないというニーズに応えた形ですね。

同時期はソニーが「ソナホーク」を展開していたのもあり、このような変わり種モデルになったのでしょう。

 

正直、音質は可もなく不可もなく普通です。これにXBSが付いていれば面白いと思いますね。

シングルカセットですが、機能は十分で5シリーズに匹敵する内容です。

ハイスペックを求める若者向けではなく、リビングや寝室でゆっくり聴きたい人にはちょうど良いラジカセですね。

こういうシンプルだけど真面目なラジカセもバブル期ならではです。