JEWEL JULIE~追憶~ | edihの昭和音楽よもやま話

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沢田研二さんは井上堯之バンドをバックに、74年からは毎年恒例となる全国縦断コンサートがはじまり、私も12月22日岩手県民会館でリサイタルを初体験したのであった。
 
リサイタル

大体毎年1枚のペースで発売されるオリジナルアルバムを中心としたライブで74年は10月に発売された

JULIEVIII JEWEL JULIE/沢田研二
¥2,000 Amazon.co.jp

を中心にした構成であった。真っ暗なステージのままイントロが流れはじめた。

衣裳

「♪昨日、あなたは・・・・」と歌いはじめたと同時にドラム横にしゃがみ込むようなポーズをとっていた沢田さんにスポットがあたり、ステージがはじまった。私にしては意表をつく選曲であった。

井上堯之バンド(グループ)の演奏アルバムは、全曲沢田さんオリジナル「JULIE IV 今僕は倖せです」
に続いてのもので、
シングル曲「追憶」(当時としては珍しいロングバージョン・テイク)を除くメンバーのオリジナルでまとめたバンド一体のアルバムである。

お前は魔法使い (作詞、曲:沢田研二)
書きかけのメロディー (作詞:沢田研二 作曲:大野克夫)
親父のように  (作詞:岸部修三 作曲:速水清司)
ママとドキドキ (作詞:沢田研二 作曲:大野克夫)
四月の雪 (作詞、曲:沢田研二)
ジュリアン (作詞、曲:速水清司)
衣装 (作詞:岸部修三 作曲:大野克夫)
ヘイ・デイヴ (作詞:岸部修三 作曲:井上堯之)
悲しい戦い (作詞:岸部修三 作曲:大野克夫)
バイ・バイ・バイ (作詞、曲:速水清司)
 以上、編曲:大野克夫、演奏:井上堯之バンド
追憶 (作詞:安井かずみ 作曲:加瀬邦彦 編曲:東海林修)

比叡山をはじめ後々ライブでは盛り上げ曲として歌った沢田さんのオリジナル、

お前は魔法使い

岸部さんの詞に速水清司さんが曲を書いた

親父のように

では、間奏のコーラスでは鳥肌がたってしまった。

ドラムは5月には技巧派であった原田祐臣さんから田中清司さんに
代わり、分厚いリズムキープなドライミングで音はよりしまり、速水さんの加入で負担の軽くなった堯之さんのリードはより輝きを増し、
大野さんはソリーナのモーグからシンセまで多才に使いこなして、メンバー5人のみでもかなり厚く、高度な演奏となっていると思っている。

なかでも、速水さんのライターとしての才能やハイトーンを担当したコーラスはなかなかのもの、また岸部さんの哲学的な詞もたっぷり沁みてくる。どれもこれも甲乙つけ難い楽曲ばかりであるが、アルバムとしては最後の方に収録されている

悲しい戦い

は、「お前は魔法使い」と並び、アップテンポでグルーヴ感あるこれも大好きな曲の1曲である。

このアルバムは初めて生で体験した"沢田+堯之バンド"の思いいれもあるし、PYGとして継続していれば、サードアルバムになるのかなとも思っている。

"早川タケジ"氏プロデュースによるジャケット少々ケバいのが気にはなるが、中身はなかなかのもの。
沢田さんのファン、PYG、堯之バンドのファンでなくとも、是非にでも聴いて頂きたい大のお勧め、重要なアルバムの1枚なのです。
(文中一部敬称略)