なつみが実在した証であり
どんなものよりなつみの不在が感じられるモノ
それは、この小さい容器に収められた髪。

実際目にすることができるこの髪を起点に
なつみの大きさを自分の目の前に思い描く。
このくらい、かな。

いつも撫でていた髪から、
頭の大きさ、お顔のシルエットを思い出す。

いつもおふとんに包まれていて
頭とお顔ばかりを見て触れていたし
特徴的でもあったので、
なつみの体そのもの以上に
なつみの頭に特別な思い入れがある。


小さな容器をじっと見る。
なつみを頭の中に描く。

いないんだなぁ。

触れたいなぁ。

さみしいなぁ。