なつみに会い、お世話さんしたり、
むにむにいじったり、眺めたり。
それはそれは幸せな時間を、
心ゆくまで過ごしたあと。
「それでは今日はそろそろ帰ろうか」
おふとんを整え直して
いざ立ち去ろうとしたら。
最後の一瞥が
なつみのトラップにつながる。
じゃあねおやすみ、
そう言って立ち去ろうとしたのに。
見てしまったよ。
まんまと今日もトラップにはまったよ。
もういちど手を伸ばして
すべすべのお顔にふれる。
もういちど手を伸ばして
柔らかい髪にふれる。
そうせずにはいられなくて。
ふれたくて。
すぅ、すぅ。
もれる音が聞こえる。
なつみよ鼻や口から抜けた空気が
わたしの伸ばした指にふれる。
かわいくて、かわいくて。
またなつみのほうへ向き直り、
なつみを見ている。
帰ろうとしたのに。
また今日もはまってしまった。いつものトラップ。
愛のトラップ。
帰るのはもう少し後にしようか。