フェアな民主主義奈須りえです。

大田区長が、副区長とともに、報酬減額の条例を出し、私以外全員の賛成で、可決されました。

令和7年7月に行われた参議院議員選挙において、選挙事務を行っていた職員が、票の数を増やすという公職選挙法に反する処理を行ったため、その道義的責任を取ってのことだと言う説明です。

区長が選んだ第三者委員が、選挙管理委員会に提言を提出したタイミングで、給与減額議案を出しています。

一見、
選挙違反事務に対する、正義の行動のように見える、区長の給与減額議案ですが、

私は、
独立行政委員会である選挙管理委員会の事務に、
巧妙に関与できる「効果を狙った」パフォーマンスのように見えたので、反対しました。

どう関与するかと言えば、マイナンバー投票への布石です。

以下は、
私の議案への討論です。

【事務的ミスから、票の数を増やした公選法違反が発生】
令和7年7月に行われた参議院議員選挙において、選挙事務を行っていた職員が、票の数を増やすという公職選挙法に反する処理を行ったことが判明しました。

【法律違反した職員を法に基づき告発】
大田区は、官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。という刑事訴訟法239条2項に従い、告発し、現在、3名の職員が略式起訴されています。

【略式起訴され司法の判断を待っている】
マスコミが区長のコメントを報道している通り、「司法の判断を待っている」ところです。

【区長の独立行政委員会への過度な関与への懸念】
反対の理由は、今回の不在者投票数の二重計上は、独立行政委員会である選挙管理委員会の事務執行に置いて起きた問題ですが、区長部局がここに過度に関与することで、選挙事務の在り方を誘導することに懸念を持っているからです。

【過度な関与=区長が、報酬減額と第三者委員会設立議案を出す】
その一つが、この報酬の減額で、
もう一つが、第三回定例会において「大田区付属機関の設置等に関する条例の一部を改正する条例」で選挙管理委員会に設置した大田区選挙事務不適正処理再発防止委員会の存在です。

【独立行政委員会=選管委員は全員辞職】
大田区も繰り返し言っている通り、選挙管理委員会は独立行政委員会です。

第三者委員会も、選挙管理委員会が設置した付属機関ということですが、2月25日に提言が出たら、選挙管理委員会の委員4名は全員辞職し違法行為の責任を取る主体がすっかりと変わります。

一方、区は、この第三者委員会の提言を一つの区切りと考え、この報酬減額議案を提出していますから、二つは不可分で、密接に関わっています。

【選管委員が全員辞職し、
改善策は、区長部局が組む形に】

第三者委員会の提言は、形式上、選挙管理委員会に設置され提言を選挙管理委員会に提出した形を取りながら、実質的には区長部局が今後の改善策に取り組むかたちを作ったことになります。

【委員の選任は区長部局で】
実際、委員の選任も、区長部局で行ったそうですから、区長部局の付属機関のようです。

あちこちの自治体でも呼ばれ、総務省からも声のかかる委員もいると聞いていますから、総務省の施策を推進する委員なのでしょう。

【第三者委員会が提言出すタイミングで区長は報酬減額】
そして提言が出たタイミングで、この減給の議案です。

【提言に盛り込まれた再発防止の視点に、
      「人」に過度に依存しない仕組み】

そうなると、委員を選んだ区や総務省が、何を提言させたかったのか、ですが、再発防止のための視点に、「人」に過度に依存しない仕組みという視点が入っています。

【人に依存せずの提言で、機器やシステムに依存させる?】
人に依存しなければ、機器やシステムに依存することになり、まさに、国が進めるマイナンバーカード利用、自治体サービスの市民カード化で、選挙にも利用しようとする方向性に合致します。

【人が侵す誤りは、人が二重三重の点検で防止】
人が侵す誤りの防止は、二重三重の確認・点検と十分な時間的、人員的余裕を持つことにほかなりません。

【選挙事務に完全一致は求めない】
一方で、2024年の都知事選で白紙投票を18票、2022年の参院選で70票減らし、同法違反容疑で書類送検していた件は、いずれも不起訴(起訴猶予)になっています。東京新聞によれば、地検は「減らした票数や関与の程度などに加え、諸般の事情を総合的に考慮した」と説明していますから、今回の2500、2700の票を入れたことは、大きな衝撃ですが、法は、必ずしも完全一致を求めているわけではないこともわかります。

【人に依存しない提言が、
システムに依存させ、
投票の秘密を壊す】

多重のチェックと時間的、人員的余裕で解決すべき問題を、提言の人に依存しない方向で改善したその先には、システムへの依存があり、民主主義の根幹にある投票の秘密が、行政やシステムベンダーに提供される可能性につながります。

【第三者委員会の提言、
総務省のマイナンバーカードの選挙利用へ誘導
=市民カード化】

提言は、極めて総務省寄りです。

【事務処理ミスから行われた違法行為の背景
飛躍的に増えた不在者投票による選挙場所・日数】

1日だった投票日と、例外的な不在者投票による選挙が、期日前投票になって、日数も、場所も飛躍的に増えています。

【区長の報酬減額が、
総務省の意向を進めるパフォーマンスになることに反対】

このことが違法行為の原因の根本にありますが、指摘も検証もありません。減給の議案で、総務省寄りの結論への誘導をさらに押し進めるパフォーマンスになるので反対です。

令和8年度予算議会が終わりました。
各会派の予算への討論が終わったら、
「持論を述べている」と言われて、大変に驚きました。

予算討論は、持論を述べるものではないのでしょうか。

予算への賛否とその理由を述べて、その意見への共感を求めるものだと思います。

持論を述べることを「批判」として
不規則発言する、その議員?会派?は、

どこかで決められた、誰かが書いた、意見を述べているのでしょうか?

多数派に所属する会派の議員でしたが、
(内容では無く)異論そのものが、批判の対象になっていることに、

民主主義の危機を感じました。

フェアな民主主義奈須りえです。

第1号議案令和8年度大田区一般会計予算、第2号から第4号議案までの全ての特別会計予算に反対し、反対の立場から討論いたします。

第一回定例会を通じ、あらためて、大田区は、集めた税を使うことばかりが目的になっていて、区民の実質的な税負担の増や、それに伴い生活水準が低下している問題を踏まえて区政に取り組んでいないことを知らされました。


 それでは、今の税金の取り方、使い方のもとは、いつ始まったのでしょう。

小泉構造改革の三位一体改革で、地方分権、社会保障、を名目に保育を自治事務化し、その財源として累進課税だった住民税を、一律10%に定率化して国から地方への3兆円の税源移譲をしたころからです。

中でも年収300万円以下の所得層は、住民税率が5%から倍の10%になっていますし、定率減税を廃止したので、全ての所得層の住民税負担が増えました。

ところが国は、民営化保育園には補助を続けたので、区は民営化を進め、移譲された税源を余らせて基金に貯めるようになりました。
その財源で大田区は、165億円の空港跡地や、優先度の低い箱モノや開発や蒲蒲線や羽田空港跡地開発など公債で負担すべきインフラをにキャッシュで使い、世代間の公平性と言う財政規律を無視するようになりました。

その後、控除の廃止や縮小で、課税対象所得を広げるなど、大きな増税はしていませんが、区民の税負担を増やしてきました。

年少扶養控除が廃止になった時、国は、その分児童手当を給付すると説明しましたが、今年度から、その児童手当などの分、新たに、こども子育て支援金という社会保険料=こども保険料に上乗せして徴収します。
控除は廃止され、住民税負担がその時から増えただけでなく、今年度から、新たに社会保険料を区民と企業に負担させるのですから、税と社会保険料の二重取りが始まります。

健康保険組合の約半数は赤字経営と聞きますから、新たな負担増が、それら中小企業などの経営悪化を招き、中小企業経営者などにとっては大打撃です。
所得税の基礎控除はあがりましたから、非課税まで働いた方は、基礎控除が据え置かれている住民税の負担が生じるだけでなく、社会保険料の負担も生じ、企業負担になります。

さらに公契約条例で、大田区の仕事を受けている企業と人件費に差がつくので、区の仕事を受けていない企業は、人手不足に拍車がかかりここでも経営を圧迫します。

大田区の包括連携協定には大企業が並びますし、誰もが知る企業が区の税金で仕事をするようになっています。政治が中小企業支援どころか、外資に買われた大企業を中心に優遇しているかのように見えます。

それだけではまだ足りず、国が行おうとした基礎控除引き上げによる減税を、蒲蒲線や羽田空港跡地開発などの財源不足を理由に国に止めさせるまでになっています。
国もそれを受けあっさり止めでしまいました。

地方分権の中心的存在だった故西尾勝氏は、

「政界・財界が望んだことは、行政改革の一手段としての分権だったということである。」と地方分権を評価しています。

「官から民へ」、そして「国から地方へ」税源が委譲され、その財源を使って、官から民に仕事が渡され、私たちが払う税金は、ほんの一握りの投資家の投資利益に変わっています。

こういう使い方をしているから、直近令和4年の所得の再分配調査の結果でも当初所得の格差が広がり、税では少ししか改善されず、社会保障で改善しても常軌を逸する格差の少し手前までしか改善できないのです。

中でも、給与所得者は、他の所得者に比べ、控除などが限定的なことは、定額給付金の令和6年度の影響からもわかります。
物価が上がっても経費を連動して控除することができませんから、給与所得控除や基礎控除で所得を守らなければいけないのに、それを市長会の一員として据え置かせてしまったのです。

そのうえ、ごみの有料化まで検討が始まろうとしています。

税だけでなく、社会保険料、利用料などあらゆる負担を増やされ、負担が増えるたび行政は自由に使える財源を手に入れます。税金はいったい何のために使うのでしょう。

ふるさと納税は、大田区の歳入に入らず、財政統計上、区民の住民税負担が軽くなったように扱われ、財源が減ることばかりが強調されますが、区民の負担増に目を向けるべきです。地方分権で作られた特区で企業の声は政治に届きやすくなりましたが、主権者である区民のために地方分権が使われるのは、税金を取る三位一体改革の時だけです。

このまま、低所得者層への給付付き税額控除をはじめて、個人の金融資産が無くなるまで吸い上げられて良いのでしょうか。

私は、主権者に寄り添うフェアな民主主義を貫きたいと思います。反対です。