獣医師国家試験は、友達の有無、ネットワークの有無が合否を分けると言われている。
このため、浪人生はネットワークが無くなり合格率が上がらないとも言われている。
この友達やネットワークの有無、各大学で構成された「獣医師国家試験対策委員会」が学生単位で編成され、自主組織としていわゆる「傾向と対策」の参考となる「参考書」を製作する伝統があるらしい。
獣医師を受験する学生数が1400人ほどしかいない。
そのために出版社も需要がないので参考書を出版してくれない、だったら自分たちで「まとめ」の本を作ろうと云うのが原点らしい。
有名なのが北大、麻布大、日獣大あたりらしい。
しかし、北大の「北大まとめ」は秀逸だったらしく、メルカリで転売されてしまい、北大の試験対策委員会は、他校への情報提供を止めたらしいのである。
第74回国家試験、2023年2月実施の試験から各大学の情報交換のレベルが下がったのではないかとみられる。
まぁ、その結果かどうか分からないが、合格率が一気に低下し、全体平均が7割を割る水準にまで低下した。
第75回についても、岡山理科大を除いた既存大学でも元通りに回復したかと言えば、そうでもない感じであり、学生同士の連帯感が生んでいたネットワークの崩壊、今後の再構築が期待されるところである。
そして第75回の国家試験から新規参入した岡山理科大の合格率が低迷した理由の1つが、この学生が組織する国家試験対策委員会の存在ではないかと思う。
どの大学も「まとめ」本を作成するにあたっては、前年の本を参考に製作しているそうで、第1期生はその素地がなかった。
その中での受験だったので、合格率が芳しくなかったのではないかとも思える。
最初は、大学主導になるかもしれないが、是非、学生同士で試験対策委員会を組織してほしいものである。
この各大学の学生同士の情報交換、ネット時代という波にさらされ、不心得な者への対策もしなければいけないが、その対策が、単に情報を公開しないという閉鎖的なものではなく、うまく付き合う方法を見出して欲しいと思う。
よくあるのが、転載禁止の書類には、目に見えないように、会議参加者の資料ごとに識別コードを入れ、誰が流出させたか分かるようにしている。
それは、版の管理と個人の管理の両方がなされている。
そんな技術も取り入れながら、大学間の協調という、昭和的だけど大切なものを守って行ってほしいと思うのである。
国家試験対策委員会、各大学にあるようで、それが全国の大学同士で連携を取り、大学同士のまとめの資料を交換しあうらしい。
その時、大学主導ではないので、学生間で資料が必要か、需要数をとりまとめるらしいのだが、友達がいないとこのスキームに乗れないのだろうと思う。
だから、友達は重要と云うゆえんなのだろう。
第74回の国家試験は、難化したのも原因と言われているが、まぁ、複合的な要因なのではないかと思う。
北大も他大学の分析などを見る機会が失われたと言え、今後の展開がどうなるか、気になるところである。
そういえば、獣医事審議会のメンバーが変わった。
所属大学や出身大学別では、
東大1
東京農工大1
日本獣医大3
麻布大6
不明2
獣医師の資格を有していると思われるメンバー構成である。
少し、麻布大が多すぎる気がする。
もう少し、バランスよくすれば良いのではと思う。
やはり、日大や岡山理科大は色々あったから、委員就任は、しばらくは難しいのかもしれない。