現役の獣医師の方、何人かとお話をする機会があった。
その中で、国家試験に合格する人、合格しない人や新設校の岡山理科大学の国家試験合格率について、少し話が聞けた。
まず、獣医師国家試験に合格する人は、比較的、社交的でみんなで一緒に国家試験に臨もうという感覚の人が合格し、一人が好きな人は苦戦しているとの事であった。
いわゆる、みんなで一緒に自習するタイプは、試験の傾向の分析を一緒にしたりして、合格傾向があるとの事であった。
また、国家試験浪人者の合格率が高くないのは、勉強を一緒にする人がいなくなり、一人になるからではとの話もしていた。
入学時の現役、浪人による国家試験合格率の差は少ないのではとの話だったが、獣医師国家試験予備校に通う学生は、20年ほど前に既にいて対策をしている学生もチラホラいたとの事であった。
そして、新設校の岡山理科大の国家試験合格率を現役獣医師はどう見ていたか、健闘しているとみている人もいれば、やはり新設校なので、厳しいのではとの見方の人もいたりと、見方はまちまちではあったが、今後については、しっかり対応していけば合格率は上がるのではとの意見が多かった。
その理由としては、獣医学科の新設がないことで、獣医学科が難化しており、学力水準は上がっているので、あとはやり方次第という感じで話をしていた。
やはり、他校との情報交換は重要で、今後、どこまで他校との交流が進むかも合格率には影響するのかもしれない。
どの獣医師も一致するところは、新設校の合格率、かなり気になっていたようである。
最近の獣医師国家試験をどうみているかについて、話を聞くと昔は知識や技量が不足している人を落とす試験だったが、最近は水準に達しているかを確認する試験に変わってしまい、試験自体が難化しているのではないかとの見解だった。
このため、複数年受けても合格しない人が出てしまっているとの事で、以前は現役は9割ほど合格していて、浪人が4割ほど合格していた時代では、恐らく95%ほどの学生は免許を手にできていた計算になるが、最近は、現役は8割強の合格率で、浪人が4割となっており、単純に、昔の倍ほどの人数が免許がもらえない状態になっているのではと考えられる。
話を聞いた最後に、公衆衛生を担う獣医師が不足しているが、動物病院の勤務医も確保できない時が増えており、獣医師不足が起きているが、なぜ、両分野で不足しているのかが良く分からないし、そして、不足していると言いつつ、試験が難化しているのも気になるとの話で合った。
獣医師不足の原因の1つは、業務に就いていない有資格者の増加ではないか、育休、産休でそのまま離脱してしまう人が増えているのではの推測もしていたが、実際の理由は良く分からないとの話で合った。
社会全体で人手不足が深刻だが、少子化で労働人口が減少しているだけでなく、もしかしたら、育休や産休を取る人が増え、稼働しない期間が生じていることが、労働力不足につながってる可能性もある。
今回は少し興味深い話を聞けた。