カスタマーハラスメント、無理難題を言う客や過剰要求をする客の事である。

 

 自分は医師ではないので、断定的な事は言えないが、精神疾患ではないかと感じる人が多い印象ではある。

 

 このカスハラ、一説には、市役所、区役所の人件費の1割が費やされていると言われるほど、深刻になっている。

 まぁ、1割の根拠はどうなのかはさておき、どの会社でもこのカスハラの対応に苦労している。

 

 いわゆる一般客相手の商売なら、すぐに「口コミ」で悪評を書き、時々、訴訟になった例も出ている。

 このカスハラ、結局のところ、自分が損をしているのを理解していない例が多い。

 

 知り合いの介護施設を経営している方から聞いたが、訪問介護などで訪問すると、介護を受ける本人だけでなく、家族の家事をするように言われたりすることが結構あるようで、断ると暴言を吐く、介護事業所はサービス提供を断ると、次の業者でも同じような事を行い、結局、業界内で噂になり、どこも業者が行かなくなると言った例が増えていると話していた。

 

 そして、ひとたびカスハラが起きると、結構な確率で辞める社員がいるとの事である。

 介護もそうだが、医師、弁護士、税理士など、いわゆる資格を使って仕事をしている人は、別に同じ会社に固執する必要はなく、退職というカードで関係性をリセットしてしまうのである。

 

 ただ、介護福祉士のように、転職先でも介護の仕事に就くのだが、訪問介護ではなく、デイサービスなどに転職し、業界内でサービスの種類の偏りが生じるらしい。

 そして、それは、医師などでも起きており、自分の知り合いの医師も小児救急という、重要な医療を担っていたが、カスハラが原因で現場を去ってしまったのである。

 カスハラは、社会的には実は大きな損失を招いている、カスタマーはもう少しその点を理解して欲しいと思うのである。

 

 うちの子もどこかでカスハラをしている人を見たのだろう、進路決定の時に将来、就職するときのリスクファクターとして、カスハラの可能性を要素に入れたのだろう。

 うちの会社でも、個人の方の対応でたまに問題を起こす人がいる。

 そして、それが原因で鬱になり、会社を去っていく、私立中学高校と進み、難関大学を経て就職、カスハラに精神的にやられ、それまで積み上げてきたものをいとも簡単に破壊されてしまう。

 個人にとってみれば、人生を破壊されるのに等しく、そのぐらい深刻なのである。

 

 人それぞれだとは思うが、どこかで自分の中で崩れてしまい、最後は退職してしまうのだと思う。

 別に資格を使っている仕事ではないので、他の業種に転職してしまえば全く噂は聞かなくなる。

 

 中には友達づきあいは続き、生活の質を下げられずサラ金に走ったと聞いた人もいる。

 東京では、カスハラが条例化するらしいが、正直なところ罰則も付けて欲しいいし、もっと言えば、法制化してほしいぐらいである。

 そのぐらい、社会では大きな損失になっているし、うちの子以外でも進路選択に対人業務を避ける人が増えていると聞いた。

 とある大学の福祉学科の先生に聞いたが、福祉の世界に進まない学生が9割を超えており、給料が安いこととカスハラの存在を挙げていた。

 就職となると、進路選択の重要な要素にカスハラがあるようである。

 早く対策をしないと、取り返しのつかない社会的損失につながる気がする。