おもしろい記事を見つけた。

 

 私立獣医学科大学協会に加盟する、5つの大学の入学者などの分析である。

 

https://shijukyo.jp/wp-content/themes/aplan/img/book_12.pdf

 

 入学者653人に対し、22%が東京出身者で占めており、千葉、埼玉、東京、神奈川の首都圏の合格者が45%も占めてしまっている。

 

 首都圏に住む人口は、全人口の29%なので、いくら地方が高齢化が進んでいるとはいえ、地方出身者との学力差が相当付いている感じである。

 

 秋田県など、全国学力調査などでは上位常連県もあるが、全体の底が高いだけであって、恐らく難易度の高い獣医学科を受けるだけの層の厚さは形成できないのだろう。

 

 そして、男女比も北海道を除いて10人以上の入学者を出す地域では、女性が多くなっており、引き続き大動物を扱う獣医師はひっ迫するのだろうと思う。

 

 先ほど出た秋田県に焦点をあてて分析すると、秋田県庁の獣医師として働いている職員は110人前後、理論値である勤続年数を24歳から60歳まで働いたとしても、年間3人程度、新規採用をしなければいけない。

 

 しかし、秋田県の10年間の平均入学者数は3人。

 秋田県から入学した学生が全員県庁に就職してようやく維持できる数字になる。

 

 もちろん、国公立の学生もいるはずだが、確率的には1~2人ほどになり、極めて危機的な状況なのである。

 そして、秋田県では、獣医学科在学者に奨学金を出して、私立大の場合月間18万円給付する制度を設けているが、今年の募集数は、はからずも3人となっており、医師で云うところの地域枠で全員募集しなければいけないほど危機的な感じである。

 

 他の地方もしかりで、10年間の年間平均入学者が3人以下の県は、秋田、山形、富山、石川、福井、滋賀、鳥取、島根、山口、愛媛となっている。

 非常に危機的な状況と言える。

 

 首都圏の合格者が多いのは、恐らく予備校の存在だろうと思う。

 医学部や獣医学部に特化した予備校が首都圏には多く、そういった面では地方は不利ではないかと思う。

 

 そんな中でも、うちの子は、地方の獣医師を目指すと言っており何かイメージがあるのだろう。

 人手不足の場所に行けば、苦労はするが重宝はされる。

 

 将来は、良い選択だったと思えるのではと思う。