高校に進学するとき、その高校の進路実績を参考にする人も多いだろう。

 

 しかし、ザっと見るだけで、何となく去年より良かったか悪かったかを感じ取って判断しているだけではないだろうか。

 

 ただ、それでは、どうしても東京一工や旧帝大、MARCHなどの合格者数に目が行ってしまいがちで、本当の高校の持つポテンシャルが分からない。

 

 そこで、子供が進学した時は、合格実績をスコア化して比較したのである。

 東大を10点、国公立医学部9.5点、京一工9点と、思いつくままに大学を点数化して下位校まで点数を決め、その点数を合格実績に乗じ、合格者数で割って平均値を求めるのである。

 

 この点数、おおよそ偏差値の順位通りになっていればよく、正確な点数でなくても十分である。

 そうすると、意外な高校が学年中堅の成績の層の進学実績が良かったりしてスコアが良かったりするのである。

 

 下の子が通っていた高校もこのようにスコア化して進学時の参考にした。

 そんな事をしていたのを先日思いだし、子供の出た高校のデータを再びスコア化したのである。

 

 去年よりかなり進学実績が良かったとの結果になった。

 国公立の進学実績は、1つの大学に1人や2人しか進学しない学校も多く、なかなか比較がしにくい。

 

 例えば、東大5人、東工大3人、一橋大5人、筑波大医2人、千葉大医2人の年と東大2人、東工大8人、一橋大7人、北大医3人、農工大獣医1人となった場合、なかなか比較が難しい。

 

 これをスコア化すれば前者が9.53、旧帝大の医学部を10点、農工大獣医を9.5点で評価すると、後者が9.61になる。

 もちろん、こんなトップ層ではなく、MARCHや日東駒専などがどの高校でも多く、地方国立に在京4工大と、かなり広範囲に比較しなければいけない。

 そして、旧帝大や医学部などに進めるのは3万人ほどであり、その多くがトップクラスの高校で合格者を占めるので、公立高校やトップクラスの高校に行かない場合の進路実績を評価するには便利な分析手法なのである。

 

 子供の通っていた高校、私立は0.5ランク、国立でワンランク今年は上がっていた。

 いわゆる「できた年」なのだろう。

 

 上の子が通う高校も、子供が卒業した年次は当たり年で、在京国立大学に30人ほど入っており、学年の人数からもかなりな成績を残した感じである。

 進学者数は大規模校ほど多くなり、小規模校ほど少ないので小規模校は見劣りしてしまいがちだが、1学年500人で東大に10人進むのと、1学年150人で5人進むのでは、見栄えとしては10人の方がよく見えるが、実績としては本来は後者の方が良い。

 

 スコア化するメリットは、そんな隠れた名門校を発掘するのに良いのである。

 高校は、あの手この手でアピールするが、受験する側はしっかり物差しを合わせて測る必要がある。
 
 よく、トリックアートで縦棒と横棒、同じ長さの物を近くに置いたら、横の方が短く見える。
 そのために、定規というもので人は物の大きさを測っている。
 
 進路を決めるときも、このような手法が必要ではないかと思うのである。