私立大学と国立大学の偏差値一覧、体感とだいぶ違うと感じている学生は多いのではないだろうか。

 

 そもそも、大学の偏差値をどのように出しているのか、以前にも書いたが、予備校などに通っていた学生に対し、受験した結果を教えてもらい、その学生の共テの成績や模試での偏差値などから割り出しているらしいのである。

 

 ただ、正規合格の場合のデータであって、補欠繰り上げや追加合格の情報は反映されていない。その結果、ブランド力を維持しようとするあまり、定員以上の追加合格を出している大学が存在してしまっているのである。

 

 もう少し分かりやすく書くと、定員200名の学科で合格者の7割が辞退するのが分かっているが、正規合格を最初は300人出し、210人が辞退し、追加で200人出すものの再び100人が辞退し、さらに30人追加を出して入学時点では、当初合格した受験生の90人が入学、第一回目の追加合格の100人、第二回目の追加合格の30人がそれぞれ入学し、最終的には上限である220人に持っていくのである。

 

 この大学の偏差値は、当初合格の300人で判定されるが、最終的には530人合格させており、530人で本来は偏差値を算定する必要はある。

 しかし、長年の当初合格の300人で偏差値がどのぐらいかと各予備校は判断してきており、これが、私立大学の偏差値が実感との乖離になってしまっているのである。

 

 私立大受験と国公立受験は、違う競技と言われており、サッカーと陸上競技ほどの違いがある。

 サッカー選手は長距離を走られるが、陸上競技者ではないので、早くは走られない人もいる。

 陸上選手は、長距離が得意な人でもボールが扱えなかったりする。

 

 どこかで共通点はあるが、決して同じフィールドで戦っている訳ではない。

 

 あくまでも感覚的な問題だが、正規合格に対し追加合格が1割であれば、ボーダーに対し2%、2割であれば4%程度下の点が真のボーダーではないかとみている。

 

 したがって、例えば、北里大獣医、後期のボーダーは、2023年度入試の場合230点、合格者は26人だったが、繰り上げが10人あったと大学の資料から分かっているので、繰り上げまで含めたボーダーは210点前後ではないかと考えられる。

 それでは、最初に例示した大学のような場合、3教科で300点満点、ボーダーが200点と仮定すると、真のボーダーは170点とか場合によっては160点台まで下がるのではないかとみられる。

 ここまで公表上のボーダーと実際の入学したボーダーとで差があれば、偏差値で5前後は変わってくるし、上位校であればあるほど真の偏差値はもっと低い位置にあると考えられる。

 

 実際に受験校を選ぶにあたって、6割がE判定でも出願している実態、当初合格に対し5割を超える追加合格を出している大学はD判定なら出願して良いと考えられるのではないかとみている。

 

 そういえば、2025年度入試の獣医学科の受験日程が次第に発表になり、今年度は昨年と同じく1月30日に岡山理科大から始まり、2月1日から北里大と続く感じである。

 早いもので入試要項発表から1年も経った。
 
 模試も次第にピッチがあがり、志望校も絞られてくるし、どこが行けそうかも見えてくる。
 受験生は、この時期、もういちど基礎をしっかり固め、あやふやな問題を確実に解ける問題に変えていってほしい。