2024年入試、誰に聞いても東京一工より下のラインから日東駒専付近まで、かなり厳しかったとの話が大勢である。

 

 そして、受験者数などが次第に各大学から公開され始めた。

 私立獣医学科の出願者数は、先日、酪農学園大が情報を更新し、これで全て出揃ったのである。

 

 一番募集枠が大きい、前期試験の一般入試でみると、全体で6511人になっている。

 前年は同じ基準で集計すると5694人なので、1割以上志願者が増えている。

 

 少し出願パターンが変わった岡山理科大を除いても、出願者数は4130人から4520人と約1割増えており、受験生がかなり手広く受験したことが伺える。

 

 受験日程も私立獣医学科大学協会加盟の5大学は、必ず日程調整を前期は行うので、受験日の被りが毎年ない。

 もちろん、一般入試だけの話であって、全学部共通入試のような、日大N方式などは日程の被りがあるが、比較的日程の被りによる受験動向に対する影響は軽微とみられる。

 

 受験方式が変わらなければ出願者が増える要因は、志望者が増える以外になく、2023年から2024年にかけて大きく受験方式を協会加盟5大学は変更していない。

 このため、単純に獣医学科に行きたいという志願者が増えたか、受験校数を増やしたかのいずれかである。

 実際の影響としては、2025年受験から新課程への移行に伴い、浪人回避傾向の高まりで受験校数を増やした受験生が増えたのと、そもそも、獣医系に志望する人が増えた、双方の要因ではないかと思う。

 

 そして、その裏付けとして、最近新設がされている獣医保健看護学科系の入試は、各大学の中でも志願者を比較的多く集めており、倍率なども1倍を超えていることなどからも、獣医学科の志望者は増加傾向なのではないかと思うのである。

 

 結局、動物系、ペット系の人気はしばらくは続きそうで、結果として志願者が増えるのはトレンドではないかと思う。

 そして、2024年度の定員と2025年度の獣医学科の入学定員は変わりがない。

 

 浪人生が新課程に移行する影響で、浪人回避の傾向が高まったとしても、2024年度の現役生や浪人生が、浪人しての獣医学科の受験を諦めなければ、志願者全体が増えているので偏差値が下がることはない。

 いわゆる、入試の易化はないのである。

 

 2025年は酪農大が入試方式を変更するので、その影響は出る。

 国公立受験組で、新課程移行に伴い若干浪人は減るかもしれないが、国公立受験組が浪人していれば、2025年は国公立をとりあえず受けるが、私立も受け、新課程移行の影響が大きいと判断すれば、私立に流れてくるとみられるのである。

 

 国公立でボーダー層なら日大、麻布大ぐらいは楽に合格できるので、結局のところ志願者全体の増加の影響は大きいと言える。

 獣医学科の定員、増える可能性はと言えば、まずは、公務員や産業動物獣医師を目指さない獣医師の偏在をどう解消するか、そこが解決しなければ定員は恐らく増えないだろう。

 

 そうなると、医師のように初期研修などで大動物への関与を義務付けるかもしれない。

 その先にようやく、定員増の話になるのではと思うので、まだまだ獣医学科の定員増は先の話になりそうな気がしており、難易度は若干だが難化傾向になるだろう。

 

 そういえば、医療系大学の偏差値、今は

 医師>獣医師>薬剤師>歯科医師

 

 で各養成課程の難易度になっているらしい。

 昔は、医師の次が歯科医師だったので、難易度、30年、40年後の獣医師の地位は分からない。

 

 もう、全統模試も終わり、2025年度入試の火ぶたが切られた。

 うちは、やはり新課程を意識して現役を選んだが2025年入試も、またまた読めない入試になりそうである。

 

 2025年度に獣医学科を目指す学生には、是非、今から悔いが残らないように、基礎を固めしっかり積み上げていってほしい。