数日前、千葉科学大学の公立化の第2回目の検討会があったようである。

 

 内容は報道でしか分からないが、検討会委員の学校側に対する経営効率の向上の姿勢などが問われたものの、学校側は多くの学生が街を去ることの影響などを訴え、議論がかみ合っているような、かみ合っていないような感じで会議が進んだようである。

 

 前にも少し書いたが、立地が少し悪いのと、やはり、銚子市という人口規模で大学を持つのは苦しいのではと思う。

 もし、公立化するなら、現在の加計学園グループを離れ、都内の名のある大学の傘下に入った上での公設民営が良いのではと思うが、なかなかそんな風にはいかないだろう。

 

 やはり、どこかの記事でも書かれていたが、救急救命士や消防士などを養成する課程は都内にもできたようで、わざわざ銚子まで行って学ぶ必要がないと書かれていたし、薬学科についても都内で乱立気味で、千葉でも複数の薬学科があり、国家試験の合格率を見ると、今後の展望はそれほど好転はしないと書かれていた。

 

 確かに、薬学科の国家試験の合格率は正直、厳しいものがある。

 実際のところ、公立化があるのかと言えば、感覚的には現在のまま、今の学校法人側の姿勢なら、ほぼ無い感じがする。

 いくら若者が市内から減るとは言っても、それ以上に経済的な負担が地元市役所にはあるし、大学自体のスリム化や財務体質の改善なども必要だが、その部分を示す資料が少ないようで、いわゆる買収提案で財務が不明瞭なら、普通は買わない。

 

 儲かっていれば買収提案などはなく、儲かっていない、経営的にもまずいので、買収提案があるのであって、その際は財務内容の開示は必須である。

 

 加計学園側も、このまま千葉科学大学で赤字垂れ流し状態は看過できないはずなので、恐らく、早晩、公立化がなされなければ、閉校に舵を切るだろう。

 そして、この問題、加計学園だけではなく、全国で起きそうになっている。

 加計学園は世間的にも注目を浴びたので、全国ニュースになるが、公立化を求めて自治体に打診したものの断られた大学がいくつかあり、今後、地方の大学でも、大学の経営問題、増加傾向になるだろう。

 

 そう、地方の大学でもと言うのは、首都圏の大学で、比較的名が通っている恵泉女学園大は、閉校になることが決まった。

 首都圏でも大学は過当競争の時代になっており、聞いたことがある大学でも閉める時代なのである。

 

 それなのに、いまだに新設学部や新設学科を作り続けている大学があるのは、本当に経営感覚として大丈夫なのかと思ってしまう。

 話を戻すと、千葉科学大学、同じ学校法人内の岡山理科大で学科新設の動きがあり、当然ながら検討会委員はそのことを知っている。

 買収提案を持ち掛け、経営が苦しいので話をしている一方で、グループ企業内で別な投資をする案件を進めている。

 正直、民間企業であれば「その資金を使ってもう少し、建て直してから買収提案をしてくれば」と思うだろうと感じる。

 

 多くのニュースでは、公立化は断る方向の論調で、2026年度辺りから募集停止になるのかもしれない。

 そして、この閉校になると厄介なのが補助金の清算で、開校した時の補助金の償却期間が恐らくまだ残っているはずである。

 

 未償却の補助金は、返還しなければならず、数十億円単位になる可能性がある。

 市役所側も、この補助金の返却は収入になるので、その辺りまで天秤にかけて結論を出すだろう。

 

 当然ながら買収提案を受けた側は足元をみるので、閉校して資産がどうなるかこの辺りも判断材料になるだろうし、大学としての用途が無くなれば、固定資産税が課すことができるようになるかもしれない、との判断もあるだろう。

 

 行く末が目が離せないが、いずれにしても、どの道を選んでも、経済的、経営的、財政的にみて加計学園、銚子市ともかなりな打撃になるのは間違いない。

 

 2~3か月後には学生の募集要項が出るはずで、そのころには、加計学園は経営判断をしてしまう可能性はある。