この前、理系と文系の収入格差について少し触れたが、その研究の中で、入試の時に数学を課した大学と課さなかった大学では、年収格差が文系でもあると書かれていた。

 

 経済学部では、数学を課す大学が多いが、福祉系学部、社会学部、家政系などは確かにほとんど数学を課さない。

 数学が得意か不得意かは、ロジカルな考えができるかにつながるのではないかと思うし、実際に採用活動をしていても、数学が得意な社員に伸びる社員が多いと感じている。

 

 なので、面接や採用での懇談会では、数学がどの程度得意か、数Ⅲを取ったか、数Ⅱはどうだったか聞くようにしている。

 そして、採用面接を行う面接官が一致するところは、やはり、数学の得意不得意は重要と感じている。

 

 東大生の保護者が数学教育を早期から勧めていたが、それは、自分自身も感じるし社会で生きてきて数学が好きになってきて、生きやすくなったと感じるようになった。

 

 微分積分や数列などは今でも嫌いだし、使う場面はない。

 しかし、確率と統計などは、データ解析などでは非常に使える数学で、社会人になって学び始めたが、プレゼン資料などで統計学的処理、相関係数などを求めた処理などを行って説明すると、みんな非常に納得してくれる。

 

 数字は多くの人の中で、客観的評価の尺度に使いやすいから、数字を扱う人は仕事をする中で重宝がられるのだと思う。

 それでは、うちの子供たちはどうだったか。

 

 上の子は総合型選抜で大学に入ったので共テは受けていないが、中学3年生の時に数検2級に合格し、数Ⅲは高校生に教えられるレベルで理解している。

 一方、下の子は数Ⅲは難しいと言って、高校生の時に数Ⅲは取らなかった。

 それが良かったか、入試で足を引っ張ったかは不明だが、2024年の共テ数学は、65%とほどしか取れなかった。

 

 下の子は、少しだけロジカルに考えるのが苦手で、どこか「どんぶり」なところがある。

 上の子は、ロジカルに考えすぎるところはあるが、下の子の性格をみていると、数学のできによる差ではないかと思ってしまう。

 

 最近SPI試験を導入する企業が増えている。

 その中には、数的処理が含まれており、数学的思考が苦手な学生は苦労すると聞いたことがある。

 

 そして、下の子が獣医学部に通っているが、その獣医学部の中でも岡山理科大が数学重視という出願スタイルがあり、もしかしたら、数学が得意な学生の成績の伸びなどを確認して入試スタイルに取り入れているのかもしれない。

 

 数学はあくまでも道具に過ぎないが、仕事の処理能力を測るにはちょうどいい「道具」なのかもしれない。