受験、結局は何を目指すのか、真の目標は、社会人になっても食べるに困らない「アウトプット」ではないだろうか。

 

 ときどき、学歴がない人が、中卒でも社長はいるから、学歴なんて関係ない。という人がいる。

 しかし、それは、学歴と所得の関係性をみれば明らかで、高学歴であれば所得は高く、確率を高めるために人は高学歴を目指すし、結果的に、高学歴になるためには何が必要かと言えば、中学受験が正解と思って、中学受験をするのである。

 

 2018年の厚労省の調査では、大卒、院卒男子で40万500円、短大卒、高専卒男子31万3800円、高校卒男子が29万1600円と、明らかに高学歴の方が給料が高い。

 

 この差はどこで生まれているのかと言えば、高年齢になるほど学歴による給料の差が開き、管理職になる40歳以降では、高卒と大卒では1.5倍以上になる。

 就職したての頃は、大卒と高卒の学歴差による給与差は1.1倍ほどだが、管理職になるころには大きく差が開くのである。

 

 確率の問題で、たまに学歴に関係なく立身出世する人はいるだろう、でも、結局は、その出現確率は絶対に高卒と大卒では逆転できないのである。

 

 それでは、大卒の中でも差はあるがどんな差があるのだろうか。

 少し古いデータにはなるがあ、(独)経済産業研究所のデータでは、年間平均給与が、文系学部出身者が583万円で、理系学部出身者が681万円と、文系よりも約100万円もの差が出ていたようで、最近の理系人気はこのように所得が理系の方が高いからではないかと思われる。

 

 では、学部別にみると、医師は平均年収が1,522.5万円 で、獣医師は535.5 万円、歯科医師810.4万円となっている。

 少し獣医師が劣る感じがするが、開業すると歯科医師より高い収入が得られ、1000万円前後が開業して黒字化している獣医師の平均年収と言われている。

 

 アウトプットを考えると、獣医学科が難しいのが何となく納得できるし、医師、獣医師は就職先が安定してあり、医師は比較的働き口が多いし、獣医師も公務員獣医師なら、通年募集という県もあり、いわゆる「つぶしがきく」のである。

 

 そういった意味では、アウトプットを考えれば、学費で1500万円以上かかるが、それ以上のリターンと安定性が期待できるので、難しいのではと思う。

 何となく、この就職の安定性を考えれば、獣医学科の難易度、しばらくは続きそうな気がするのである。