昨日、「浪人生でも優秀な方はいる」というコメントをいくつか頂戴した。
個々をみれば色々あると思うが、絶対値として浪人と現役では同じレベルなのかと言えば、昭和58年、少し古いデータになるが、旭川医科大学の先生が分析した研究があり、浪人入学者における留年の分析である。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mededjapan1970/14/1/14_1_17/_pdf
記事やコメントを書く時は、できるだけ論文などを参考にしながら書くようにしている。
周囲で1人、2人の事象を全てのように語ると、それは真実を見抜いていない可能性が増すからである。
留年率と年齢の関係については、この研究では相関係数が0.9を超えており、明らかに有意というか、年齢と留年率の関係性が成り立っていると言って過言ではない。
そして、解説の中で脳の老化を指摘する部分もあり、さすが医学部と思った。
恐らく、各大学とも入学者の個人情報を握っているので、もっと細かな分析はしている。
個々をみれば優秀な人もいるが、確か自分が学部生のとき、周囲では3人留年した。
1人は水商売系のバイトにはまり、もう1人は、某カルト宗教にはまり、もう1人は精神疾患でそれぞれ留年した。
現役生では留年した人は周囲ではいなかった。
1人は2浪で、他は1浪だったが周囲では浪人生の留年が目立った。
恐らく、現役生は留年=恥ずかしい みたいな図式があり、浪人をしないような程度で定期試験は勉強するのだと思うし、自分も留年は恥ずかしいと思っていた。
社会人になり、浪人や留年はザラにいるので、別に気にする必要はないと分かっているが、当時は未熟な18歳、そんな事を思っていた。
就職などの時、浪人がどう影響するか、正直、1浪までは詳しくは聞かないが留年や多浪生は少し面接などで掘り下げて聞くことがある。
留年は、8割がストレートで卒業するなか、残り2割に入った理由を聞いたり、浪人についても、2浪は非常に少ないので高校の時の学習の様子や性格などを確認するために掘り下げて聞くことがある。
なぜ、面接でそんな事を聞くのか、本来は高校3年間で身に着けるべき学習内容を5年や6年かかっている。
結局、理解に時間がかかると会社に入り周囲のレベルについていけなくなり、会議などでの議論もついて行けなくなる。
もちろん、個々をみれば色々な理由はあるだろうし、ゆっくりしか身に付かないが絶対に忘れないような能力を持っている人もいる。
しかし、会社としては1人雇用すると億単位で投資するのと変わらず、慎重に個々の能力を見極める必要がある。
わずか1000文字ほどのブログ、全てを網羅的に書けないしわずか30分ほどで書いているので内容の詰めにも限界がある。
ただ、エビデンス的には、現役の有利性は研究などから明らかで、個々の事象はあくまでも個別の例でしかない。
多くの学生は、受験の時、A判定やE判定を模試でもらい、一喜一憂したと思う。
まさの統計学的な分析で判定を出しており、もし、模試を信じていたなら、今回の旭川医科大学のデータも同様の視点で見た方が良い。
人間、災害などでなくても、正常性バイアスが働きやすいので、データで判断するとブレが少なくなる。
データは過信してはいけないが、軽視すると痛い目を見るのがデータってものである。
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