昨日、千葉科学大学の公立化の検討会が銚子市であったらしい。

加計学園グループの1つで、定員充足率の低下などから公立化を要望しており、その是非を検討する会議が開かれたようである。

加計学園グループなのでニュースになったが、全国で公立化を求めいる大学はここだけではない。

 

今まで、いくつかの大学で定員割れなどの問題から公立化をした大学がある。

これまで公立化できた大学もあれば、地元が断念した例もあり、半々と言ったところだろう。

 

調べた限りでは、公立化で話がまとまらず、その後、閉校に至った例はないようであるが、姫路獨協大学はかなり規模を縮小しつつあるようである。

 

これまで12大学が公立化し、地方交付税などをもらって定員充足率も改善、偏差値もあがり再生した大学も多くある。

 

また、千葉科学大学だけでなく、長浜バイオ大学(滋賀県)、九州看護福祉大学(熊本県)、美作大学(岡山県)も公立化の要望を出したりしているようである。

長浜バイオ大のある長浜市は人口11万人で、経常収支比率90.8%

九州看護福祉大のある玉名市は人口6万人で、経常収支比率97.7%

千葉科学大学がある銚子市は人口5万5千人で経常収支比率91.0%

美作大学がある津山市は、人口9万5千人で経常収支比率は91.7%となっている。

 

これをみると、可能性が低いのが九州看護福祉大で、市役所で固定費が97.7%を占めており、受け入れ余力がないのが伺える。

千葉科学大学も人口規模が小さく、自治体が持つ基金も少ないようで、財政再建中なのが受け入れを難しくしている理由なのだろう。

 

美作大学は、定員充足率が大学部で100%を超えており、公立化の可能性はあるのではと思われる。

長浜バイオ大については、近年、やや定員を満たさなくなっているようで、あとは市長さんの判断しだいなのだろう。

 

ただ、どの大学もその地域にとっては大きな問題なので、最後は市長の判断になる。

 

大学の経営は100年タームだが、市長などの交代は12年や16年と、大学の経営からは非常に短いタームで変わっていく。

前の市長の時はOKでも、後継の市長がNGってこともなくはない。

 

そう考えると、公立化はなかなか簡単ではない気がする。

 

千葉科学大学、経営を考えれば、無理に公立化をするよりは、さっさと募集停止して閉校して、経営効率を上げるのが筋だろうし、行政の判断を待っていては赤字が積みあがるだけではないかと思う。

 

そして、行政が最後は「公立化しない」と判断すれば、その間の赤字は誰も補填してくれない。

 

身を切られる思いはあるとは思うが、市役所も大学もお互い損切りも時には必要である。

 

せめて、総武線沿線の駅から近い場所に大学があれば、もう少し学生は集められたのではないかと思う。

他の大学もそうだが、はやり駅前に近い場所でなければ、敬遠される要素になってしまうのではと思う。

 

ちなみに、公立化した場合、地方交付税などで95%ぐらいは補填されるらしいので、全てが所在する市町村で背負うことになるわけではない事は付け加えておこう。

補填も結構あるので、必ずしも、市役所の経営体力だけでは判断できないところはある。

ただ、補助金頼みは、補助金がカットされた時のリスクは大きい。

 

少子化の時代、地方大学は厳しさが増すだろう。