大学など、特定の養成機関を卒業しなければ受験資格が与えられない国家試験がある。

そのうちの1つは医師国家試験であり、子供が目指している獣医師国家試験もしかりである。

 

長らく医学部や獣医学部は定員が抑制されてきたが、国家戦略特区や震災関連などで、国際医療福祉大学と東北医科薬科大学が医学部では新設され、獣医学部では岡山理科大学獣医学部が新設された。

 

東北医科薬科大学は、2016年に設立され、1期生が2022年に1回目の医師国家試験に臨んだ。

国際医療福祉大学は、2017年に設立され、1期生が2023年に1回目の国家試験に臨み、岡山理科大学は2018年に獣医学部が開設され、2024年獣医師国家試験にそれぞれ臨んだ。

 

合格率は次のようになった。

東北医科薬科大学 96.8→98.9→95.1

国際医療福祉大学 99.2→99.2

岡山理科大学 67.5

 

結果は、東北医科薬科大、国際医療福祉大については、国家試験1期生から非常に好成績を修めており、東北医科薬科大学、国際医療福祉大学とも、新卒で不合格の方は翌年合格したようで、結局、全員が免許を手にできている。

 

国際医療福祉大の紹介動画を見たが、既存の医学部より多い授業時間、英語での授業が多いらしく、他の大学と比較してもかなり手厚い体制を執っているようで、それが国家試験の結果につながったのだろう。

 

一概に、獣医師国家試験と医師国家試験とでは比較できない部分はあるが、既存獣医系私立大学との国家試験の合格率の差は何が大きかったのか、国際医療福祉大学は、学部を開設する10年以上前から附属病院を開設したり、医学部以外の医療系学科を開設したりと、かなり長期間に渡って準備をしてきた事が伺える。

東北医科薬科大学についても、元々は薬科大学で、そこに医学部を開設する5年近く前に病院を複数取得、かなり準備を周到にしてきたことが伺える。

 

一方で、岡山理科大は学部開設前までに農学部などを持っていた訳ではなく、畜産に関する学問を修めるような学科も無かったのではないかと思われる。

近接分野の学科がなく、開学までの準備期間などがもしかしたら不足していたのかもしれない。

 

過去問などのノウハウが蓄積してくればいずれは、岡山理科大も他の大学と肩を並べる国家試験合格率になると思うが、しばらくは、大学は苦労が続くのではと思う。

 

国家試験があるどの大学でもよくある話だが、ある程度の入学者のレベルを確保しなければ、薬剤師免許が取れない薬学部のように

なってしまう可能性が出てくる。

国家試験が卒業時に必要になる大学は、しっかりと、一般入試などで学力水準が高い学生を集める必要が出てくるのではと思う。

 

医学部、薬学部は国家試験に合格できない感じの学生は、国家試験前の卒試で不合格にし、卒試が9月卒業で合格になる人も結構多いらしい。

大学側のメリットは、次の国家試験の受験の際には既卒扱いになり、新卒の合格率に影響を出したくないので、9月に卒業させるらしい。

大学側の経営の問題があるとは言え、少しズルいやり方な気がする。

 

繰り上がりで我が家に縁が来るかは不明だが、国家試験のある大学に進むのは大変である。

早く縁があり、桜が咲けばいいのだが。