年始の休みが終わり、1週間が始まりました。青年と彼女は毎日LINEで会話をしているようです。仲睦まじいですね。
そんな彼らのLINEの様子がこちらです。
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『部長!おはよー!』
「おはy…もう12時だよおせーよwwwあと部長じゃねーよ!ヒラだよ!」
『青年くん!』
「なんですか彼女さん」
『青年くん眠い。どろ眠い』
「寝ろ」
───
『青年!』
「青年様でしょー」
『ごしゅじんさま』
「飯作ってくれ」
『ええよ』
「解雇」
「ってあれ?いいのか!?」
『もちろん、が、しかし。解雇されとった』
「あ、手続きの不備でした」
「採用」
『ご主人様、たまごかけごはんと冷奴でええやんな?』
「解雇」
『けっ!』
「www」
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『夜の奉仕はいかが?』
「む」
『むむ?』
「理性vs欲望」
『欲望の勝ち』
「りせいー!!しっかりしろりせいー!」
『理性ばいびー』
「畜生…よくも!理性の仇は俺がとる!」
「俺vs欲望」
『欲望の勝ちー』
「おれー!!しっかりしろー!!おれー!!!」
『しっかりー!』
───
『明日、友達の誕生日祝ってくる!』
「うむ、よいことです」
「ちなみに彼女さんの誕生日は?」
『ひみつ!笑』
「なんと!じゃあお祝いしなくていいのね!」
『おう!お祝いされるのは好きではないのです!』
「ふむふむなるほど。自分はお祝いするのにw」
『基本ネガティブなものでしてw』
───
「今夜は遅くなるから先に寝てていいぞ」
『わかんないよー?起きてるかもよ?おやすみいうために』
「ふふん」
『へへん』
「ちょっとだけドキッとした。ちょっとだけ。」
『それも手の内』
「知ってる!」
『なんと』
「狡猾なやつめ!」
『そうだよ、それがわたしだよ』
───
「ただいまー仕事疲れたー」
『元彼と電話してたー』
「( ´ ー`)」
『すまんの。おかえりー』
「( ´ ー`)( ´ ー`)」
『あ、萌えた』
「( ´ ー`)( ´ ー`)( ´ ー`)( ´ ー`)( ´ ー`)( ´ ー`)( ´ ー`)( ´ ー`)( ´ ー`)( ´ ー`)」
───
『青年さんイケメンって言ったのあれ営業じゃないからね??一緒いて楽しいのも本当!』
「安心しろ、それは伝わってる!」
『イケメンイケメン!』
「小悪魔小悪魔!」
『小悪魔ちゃうわ!』
「大悪魔?サーターン!サーターン!」
『そーやで!』
「滅ッ!!」
『あんっ』
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平日はこんな甘ったるい糖尿病待ったナシなやり取りを交わし、週末にはお店で会い、その後晩御飯を食べに行く。もはや恋人同士かのような生活を数週間過ごしたある日の夜のことでした。
青年のスマホに彼女からのLINEが届きました。今日も今日とて第三者からするとクソ甘で胸焼けするような仲の良いやり取りが繰り広げられる…そのはずでした。
青年のスマホに彼女からのメッセージが映し出されました。
『初めまして。彼女です。』
いつもの彼女とは違う、感情を感じさせない無機質な文体
今まであんなに毎日話してきたのに初めまして?
冗談か?いや、そんな話の流れでは無い。
そもそも彼女はそういう類の冗談は言わない。
思考を張り巡らす青年
その思考をかき消すかのように突如スマホが着信音を鳴らした。
電話の発信者は【彼女】
青年は身を強ばらせ、焼き切れそうな脳神経を辛うじて繋ぎ止め、受話ボタンに指を伸ばす…
思えばここが全ての始まりでした。
ここまでは単なる青年の色恋沙汰。どこにでも転がっているような石ころみたいな人生。
ここから先が本題である彼女の人生とその価値。
幸せの形と、人生の終わらせ方のお話です。
━━━━━━━補足━━━━━━━
彼女:たまに犬っぽい。その時は青年のことをごしゅじん!と呼ぶ。たまに一人称がわっちになる。寂しい時はピスピス、悲しい時はシュンとなる
青年:彼女の仕事の負担を減らすという理由だけで足繁く店へ通う。カモっぽい。