車を運転中に蝶が目の前をひらひらする。思わず見てしまう。そういう季節になったんだなあと思う瞬間。もちろん写真は撮れない。
初蝶や ハンドル越しに ひらり消ゆ
写真を撮っておいて後から思い返しながら文章を作って俳句にすることがあります。夕空が川面に映って橋もあるという光景は季節関係なく好きで橋の上で停まった時に写真を撮ることが多い。別れと出会いの季節だからか夕暮れの時間に眺める空は郷愁を誘う。もうじき一人暮らしを始める長女の買い物に付き合った帰りに土手沿いに車を停めて、二人で川辺に降りて空とそれを映す川面と少なくなったカモをしばらく見ていた。「おかーさん、鳥遠いなあ」などと私が鳥の写真を撮りたいと思っている長女。カモの写真を撮りたいのなら城の堀の方がもっと近くで見られるのだ。ただ、夕景が見たかったのだ。カモはついでだった。
でもまあもうこんなことをすることもないなと思う。そして、私が見たい景色に付き合ってくれる優しさを思う。
春の夕 共に見る子は 越して行く
行く春や 河原に子も降り 夕景色

