池坊 巡回講座に行く | ひめぴょんのブログ

ひめぴょんのブログ

岩国在住です。ここでの生活の中での楽しみをご紹介できたらと思っています。せっかくなので、行こうと計画中のイベント情報などもupすることにしてみました。

大学生時代にご近所の池坊の先生に生け花を習っていました。小学生の時に習っている友達がいて気になっていましたが、その当時は言うことができず、自分のアルバイトしたお金で習うという決断をすることができました。

その後お稽古に通うことはないままですが、華展にはよく足を運びます。たまたま数年前に新聞で池坊巡回講座がおでかけガイドに掲載されていてそれを機に行ってみました。そのとき大変勉強になり、また継続してこういう講座に参加したいと思っていて、今回も行ってみました。

華展で生けられた花を見ても、そこに至るまでの過程は知り得ません。先生が適宜解説しながら生けて下さるデモンストレーションを目の前で見ることができるのが、最大の利点。動画でもこういうものは配信があるのかもしれませんが、動画ではどうしても奥行き感が分かりません。花はひとつひとつ同じものはない。実際にそこにあるものを見て、どれを落としてどれを生かすかといったことや花器とのバランスなどリアルで見る経験を積み重ねることは今後実際に花を生けるときに役立つと思う。置く環境に合わせて工夫を施す方法など生活の中で使える生け花の手法を学ぶ良い機会だった。四季の変化を室内に花を生けることで感じ、それを見る家族にも伝えたい。そんな気持ちを持つ人がもっと増えますように。

 

今までの多くの巡回講座は「立花(りっか)」「生花(しょうか)」「自由花(じゆうか)」をバランスよく、そして歴史などにも触れながらという形態ではなかったかと思いますが、今回は自由花のみ。自由というのは簡単なようで難しい。型がないけれど、そこに考え方の型を投入するとやりやすくなる。花材(全体美を生かすのか、部分美を生かすのか)、作品の方向(縦、横、斜め)、挿し口(まとめるのか、広げる、分散させるのか)の3つのポイントについて花と向かい合い、見つめ、感動を持って、表現を考えるとよい。

第一部:水揚げ(水切り、深水など)、切り方(草ものは水平に、木ものは斜めに切って割る)、花留(剣山にも種類がある。給水スポンジいわゆるオアシスは自然に給水されるのを待たないと水が内部にしみこまない。押し込むのではなく切って入れる)、針金の使い方(曲げたい部分を中心に前後合わせて6cmくらい。ワイヤーで巻き付けたり、テープで固定したり。茎の中に通すのはシルバータイプ、巻くのは黒。黒いのはさびやすいので花が傷みやすいから内部に入れない)、デッサンの大切さ(花にきちんと向き合う時間を持つ)、空間を大切に。埋めすぎない。

第二部:生の植物以外の素材を使うときもあくまでも命ある草木が主体。植物にはない要素を使うことで表現の幅を広げる。花器は生花では大地・水面、立花では大海を表す。自由花では素材として扱う。環境(置く場所)を制約と考えるのではなく、ヒントとしてそれを生かすように調和を考える。

ただ、見聞きするだけでは身につかない。実践が大事。明日から花を生けるときに何かが変化しているのではないかと思っています。

生け花・華道の世界は芸術的美を形にする方向だと感じます。そのために美しい花材を求める。それに対して茶花の世界はその日そこにある花の中から一番ふさわしいものを選び、その自然な美しさをそこに表し、見て感じてもらう。そういう茶花の世界の方が今の私には合っている気がしています。