「岡倉天心『茶の本』を読む (岩波現代文庫)」若松 英輔 | ひめぴょんのブログ

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「岡倉天心『茶の本』を読む (岩波現代文庫)」若松 英輔

岡倉天心の言葉を読み、コトバが顕われるのを待ち生まれた本。鈴木大拙、九鬼周造など関連の深い人とも絡めて。「茶の本」そのものの内容の引用はごく一部ではあるが、天心の精神性を感じる話が多い印象。最終章に書かれていた 父母が亡くなって後の九鬼のエッセイに「(天心に対して)まじり気のない尊敬の念だけを持っている。思い出のすべてが美しい。誰も悪いのではない。すべてが詩のように美しい。」と書かれているのが印象的でした。それに対して著者は「美しさと美しいものは違う。前者は概念だが。後者はいつも実在である。」と書いている。難解な表現が並びますが、そういう表現に何度も触れること自体がこの本を味わうということでもあると感じました。

以下は文中引用とミニ感想です。

愛にはさまざまな形態がある。だが、どれも愛であることにおいて優劣はない。

東洋においては、生きる目的を探すことよりも、いかに生きるかを実践することが重んじられる。いかに生きるかの道は無数にある。

茶は美を崇拝し、茶道は「一種の審美的宗教」。

茶道は精神の幾何学である。→ちょっと理解しがたい表現でした。

事象を窓にして、実在にふれるには、外から眺めているだけでなく、内側から感じなくてはならない。

「いき」こそが日本の伝統に咲いた美しき霊性の花。→これまた分かりにくい。