「10人のお坊さんにきいてみた」NHKエデュケーショナル
イライラ、承認欲求、生きる意味などの悩みに対して複数のお坊さんの回答集。各宗派特徴ある視点を感じます。織り交ぜられたお坊さんご自身の経験や聞いた話などがあるのがありきたりでなく、しっくり来る要因になっていると思います。仮名が振られているので子ども向けの形ではありますが、大人にもとても読みやすく、有り難いお話。ちょっと生きるのが楽になる そんな本。悩みが身体に出てしまっている末っ子ちゃんに読んで欲しい。
以下は文中引用とミニ感想です。
人生は自分の思いどおりにはならない。あるがままを受け入れるべき。→それができないから苦しむのだろうと思いますが…。言うは易し だな。
違いを受け入れる柔らかな心を持つことが大事(「柔軟心」)。
根源的な煩悩のひとつ三毒(「貪(とん、むさぼり)」、「瞋(しん、いかり)」、「痴(ち、愚かな心)」)。それに抵抗するとより大きくなる。大事なことは知ること、愛すること。何を知ろうとするかで大事なことは、自分と相手との共通点。共通点を見いだすことができたとき相手に優しくなることができる(慈悲)。→確かに「相違点」は諍いの元になる気がします。
成長するから悩む。いろんなことが観えてきて、知恵がついて、分かったからこそ悩む。→成長はよろこびでもあり、悩みにもなる ということ。
「布施」の大事な条件は“見返りを求めない”こと。評価という見返りを求めず、ただ自分が信ずることをやっていく(仏教の言う「主人公」)。自分の人生は自分でしか生きることができない。比べる必要はない。
役に立つとよろこびを感じる。しかし、それにこだわると、役に立たないと意味がないとしてしまう。ただ、日々を誠実に丁寧に生きることで生きる意味を分別しない時間を作ってみる。
理屈では分からないからこそ今を懸命に生きることを実践する。
何もしないで放っておいたら穏やかになる。
なるほどとなる漢字について書かれている部分がありました。承認欲求の「認」の右側は忍と書く。忍んだ生き方、謙虚に生きるほうがステキ。
「諦」は物事を明らかにするという意味。自分はなんのために生まれてきたのかを明らかにするヒントは自分の向いていることにある。周囲の人に聞いてみるのもヒントになる。
“人のため”と書いて偽り(いつわり)。→だいたい、誰かのため と言いながらやっている人で本当に心からその人のためを思っているんだろうなあと感じたことはない。
「正」は「一」と「止」。一度立ち止まってみる。悔いるのではなく、機縁とする。