「クリスマス・キャロル (新潮文庫)」ディケンズ
特別な祝いの日であるクリスマスに幽霊からのプレゼントともいえる「過去・現在・未来」への旅。読んだことがあったようななかったようなと思いつつ、新鮮な気持ちで読了。人を変えるのは難しいとはよく言われることですが、自分を変えるのは自分自身ということを伝える本だとも感じました。自分自身とその周囲の人をよく見ると、どうすれば良いかが見えてくる。自分の望むような死後の評価であるようであるためにという観点を持つことも大事。
愛に値打ちがなく、金儲けが大切になってしまったスクルージの元を恋人が去った過去。過去と現在を見て、幽霊によってスクルージは見た今までとは生まれ変わった人間として暮らしたいという気持ちになった。やさしい気持ちが死んだ人にそそがれるようなそんな人生に変えたいと思わざるを得ないような未来。
守銭奴ではなく、今までとは生まれ変わった慈愛に満ちたよき人になって暮らしたいと実践する姿で終わる。そんな彼の未来は幽霊が見せた違う未来になったのだと思いたい。