「他人を支配したがる人たち:身近にいる「マニピュレーター」の脅威」ジョージ・サイモン、草思社、2013年発行
こういう概念を知りませんでしたが、こういう人を数人思い浮かべながら読みました。対処法を頭に叩き込もうという気持ちで読み込みました。人が他者や世界をどのように受け止め、またどのようにかかわりながら関係を築いてきたのか、その人なりの独特のスタイルが人格というもの。その人格が他者に攻撃的特徴を持ち、周囲を苦しめるのがパーソナリティ障害であり、マニュピュレーターということのようです。自分一人で苦しむのは神経症で、現代は神経症的な人は減少し、パーソナリティ障害の人が増えたとのこと。人間関係の根本は強者がその関わり方をしきるということ。
攻撃的パーソナリティの特徴:自分勝手。人には厳しい。頭ごなし。思い通りにしなければ気がすまない。ふてくされた態度で聞こえよがしに文句を言いつのる。過大な自己評価。自分本位思考、所有的思考。“すべてか無か”の思考。過度にうぬぼれた思考。肥大したエゴ。特権意識。悪意に満ちた行為を犯しながら言い訳に勝る人。こちらの罪悪感を刺激してばかりの人。相手を守勢に立たせるためなら手段を択ばず、自分の思い通りにしようとする人。
闘争に対する人間の衝動は生存本能と近しい関係にある。
相手への協力をわざと拒む。無視する。というのも一つの形。
無実を装い、かたくなに否定していれば、告発者の方が自分の申し立ての正当性を疑い始める。→正に、こういう人がいます。
マニュピュレーターの特徴:「矮小化」「虚言」「否認」「選択的不注意」「合理化」「話題を転換する」「はぐらかし」「暗黙の威嚇」「罪悪感を抱かせる」「羞恥を刺激する」「被害者を演じる」「犠牲者を中傷する」「忠実なるしもべを演じる」「人をそそのかす」「責任を転嫁する(他人のせいにする)」「無実を装う」「無知を装う、混乱を装う(しらばっくれる)」「これみよがしに威嚇する」
マニュピュレーターとの関わりを改めるために:ここが一番肝心なところだと思いました。
世界観や行動規範を共有できないと認識する。
どんな策略にも動揺してはいけない。たじろがずに自己主張する。→なかなか威嚇的言動の前にはたじろいでしまうものですが、だんだん慣れてきて、たじろがずに間をおいて対応できるようになってきました。
言い訳を聞き入れない。
意図ではなく、行動で判断する。
個人的な限界を設ける。
はっきりと要求する。
ダイレクトな返事だけを受け入れる。
集中力を保って目の前の問題を考える
相手を問いただすときには責任を突き付ける。
露骨な非難は避ける。
行動は素早く起こす。
妥当な合意(双方にメリットをもたらす提案)を結ぶ。
相手の反撃に備える。
みずからに対して正直であれ。