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最近はジェンダーの問題などいろいろありますが、今回はそういう話題ではありません。
日本語や英語や中国語にはありませんが、世界には名詞に性がある言語がたくさんあります。
フランス語が有名ですが、なぜか「フランス語にはあるけど、他にはない」と思っている人もいるということに驚いたことがあります。
スペイン語やアラビア語にもあります。
ドイツ語やロシア語は男女だけでなく、中性名詞なんていうのも出てきます。
私が学んだことのある言語以外は、その言語を学んだ人に聞いたことがある程度のレベルなので、今回は省きます。
またタイ語は名詞に性がないので、今回は省きます。
アラビア語は「ة」で終わる単語のほとんどが女性名詞です。
アラビア語は英語の筆記体のように文字を続けて書くので、見た目は「ـة」です。
ただし複数形になったりするとスペルが変わるので、見た目で女性名詞かどうかがわからなくなるものもあります。
もちろん「ة」で終わらない女性名詞もあります。
例として、もともと女性である、一部を除いて国や都市の名前など。
そしてこれはアラビア語独特の規則だと思うのですが、人間以外のもの(動物含む)の複数形は、女性単数扱いをします。
フランス語は見た目で男性名詞か女性名詞かが、ほとんどわかりません。
ただし「e」で終わっている単語が女性名詞の場合が多いです。
もちろん「e」で終わっている男性名詞もたくさんあるし、「e」で終わらない女性名詞もたくさんあります。
元になったラテン語が推測できれば、どちらかが比較的わかりやすいです。
フランス語は都市名や国名は両方あります。フランスは女性名詞ですが、日本は男性名詞です。
アラビア語とフランス語に共通で言えるのは、もしかしたら他の言語もそうかもしれないのですが、男性名詞から女性名詞が作られているということです。
個人的は「女性は男性の肋骨から創られた」という旧約聖書の逸話が元になっている部分があるのではないかと思っています。
アラビア語は基本的に、男性名詞あるいは男性形に「ة」をつけると女性名詞あるいは女性形になります。
フランス語は例外もありますが大抵、男性名詞あるいは男性形に「e」をつけると女性名詞あるいは女性形になります。
例(ただしどちらも単数のときに限ります)
日本人:「ياباني」→「يابانية」、「japonais」→「japonaise」
大きい:「كبير」→「كبيرة」、「grand」→「grande」
そして外来語は男性名詞になるケースがほとんどです。
単数のときに限ると書きましたが、「複数の場合で男女混合だったらどうなるんだろう」と思われたかたもいると思います。
女性の中に男性が一人でも入っていれば、男性名詞扱いになります。
例えば女性が百人いて、男性が一人でも男性複数形になります。
アラビア語の二人称と三人称は、主語が男性か女性かで活用が変わります。
そしてあまり女性だけの複数の主語がないため、女性複数形は文法書などでは省略されているときがあります。
また文法書などでは基本的に男性形を例文に使っている場合が多いです。
これはやはり男性単数形が基本形だからということがあるのだと思います。
女性形にするには、上記のような変化をさせて対応します。
補足ですが、フランス語で男性名詞でもアラビア語では女性名詞という単語、または逆というのはたくさんあります。
フランス語だとイタリア語やスペイン語のような近い言語の場合は、名詞の性はほとんど同じですが、ドイツ語では違うというものもあります。
名詞の性というのは日本語や英語にないため、最初は戸惑う人も多いです。
戸惑ったままの人もいますが、そういう人は名詞に性がある言語の学習に向いていない人だと思うので、早めにあきらめたほうがいいのかもしれません。
しかし慣れてくると逆に、英語に名詞の性がないことに違和感を感じることがあります。
名詞の性のように、日本語にはない概念を大変だと思わずに、違いを楽しむことが語学学習の醍醐味なのだと思います。