昨日は「ありがとう」という表現についてを記事にしました。

https://ameblo.jp/nasopharynx/entry-12592739995.html

今日は実際にこの「ありがとう」を発音してみたいと思います。

 

アラビア語:شكرا

ローマ字転写はshukran、カタカナだとシュクラン。

アラビア語のr(ر)は巻き舌ですが、ほぼカタカナの発音で大丈夫です。

より本物らしくするなら、shuで一拍、kは子音だけなので半拍、ranで一拍です。

子音だけの発音というのは日本語にないので、すべての外国語の発音において、日本人が不得手としているところではありますね。

 

フランス語:merci

発音記号(IPA)でmɛʁsi、カタカナだとメルスィ。

「メルシーでしょ、知ってる」という方も多いと思いますが、正確に書くと「メルシー」ではありません。

まず「シー」ではなく「スィ」です(発音記号はsi)。

フランス語は発音される最後の母音にアクセント置くという決まりがあるので、スィの部分を延ばしてスィーと発音しても問題ありません。

英語と違って、単語ごとにアクセントを覚える必要がないのが助かります。

そしてフランス語のrはのどの奥をこすって出すような音なので、カタカナ表記は無理です。

母音のɛの音は口を開いてエの音を発音していたのですが、現在では日本語のエの音で問題ないです。

merで一拍、ciで一拍です。

 

タイ語:ขอบคุณ

発音記号(Haas式)でkhɔ̀ɔp khun、カタカナだとコープクン。

カタカナだと「コックン」と書かれていることもあります。

タイ語のありがとうはカタカナ表記はほぼ無理です。

最初のkhは、日本語のカ行の音で問題ないです。

母音のɔは口を開いて、オの音を発音します。

簡単に言うと、アを発音するときのように口を開けて、オを出します。

タイ語には声調(英語でトーン)と言われるアクセントがあります。

音階で表現すると、コープとドの音をずっと続ける感じです。

二拍というよりも二分音符という感じです。

さらに最後のプの音は、はっきりプと発音する前に止める感じです。

クンは一拍(あるいは四分音符)で、今度はミの音です。

 

タイ語では通常、話し言葉の最後に男性はครับ、女性はค่ะを付けます。

ค่ะ、発音記号(Haas式)khâ、カタカナで書くとカ。

なのですが、軽くカァと延ばして、カの音をソで出して、そのまま音階を下って、ァをドの音で止める感じです。

よく芸能人(特にお笑い芸人)で「タイに行った」と言って、「コックンカ」と怪しいタイ語を使っているかたがいますが、これは女性の言葉なので「そういうところにしか行かなかったのね」と思ってしまいます。

またタイではいわゆるニューハーフのかたもいますが、そのかたたちも女性の言葉を話しています。

なのでタイ人が聞いたら「この人って男性の格好をしているけど、女性だったの」ということになります。

ครับ、発音記号(Haas式)khráp、カタカナで書くとクラプ。

日本語で書くと三音使うのですが、一拍で発音します。

カップと書いてあるところもありますが、一拍で発音するため、r()が聞き取れなかったり、最近はタイ人もこのr()を発音しない傾向があります。

そして最後のプははっきりプと発音する前に止める感じです。

クラをソの音でプをラの音で止める感じです。

 

とここまでグダグダと書いてきましたが、旅行に行く程度だったら、カタカナでもある程度は問題ないと思います。

いきなり今日の内容の全否定してしまいました。

発音が悪くても、自分の国の言葉でお礼を言ってもらえたら、嬉しいものです。

 

しかしもし本格的に勉強したいと思ったら、発音は避けて通れません。

そのときにカタカナは邪魔になります。

できるだけ発音記号などで、発音を覚えるように心がけてください。

 

最後に昨日のブログでも書きましたが、今一番ありがとうを伝えたい人にありがとうを伝えたいと思います。

 

ขอบคุณมากคนงานทุกคนซึ่งอยู่บ้านไม่ได้

 

شكرا جزيلا لـجميع العمال الذين لا يستطيعون أن يبقوا في المنزل

 

Merci beaucoup à tous les travailleurs qui ne peuvent pas rester à la maison