その後外来診察室へ行き、体温や血圧を測り、問題がないので本当に最後の通院での抗がん剤になった。

翌週に画像検査をして、問題がなければ、いよいよ放射線と入院しての抗がん剤治療になる。

2か月通った抗がん剤を投与する外来診察室も今日で最後。

最初は吐き気止めと抗アレルギー剤と生理食塩水。

次に順番は覚えてないけどカルボプラチンとパクリタキセルとアービタックス。

最後にまた生理食塩水。

最初の点滴の最中に担当薬剤師がやって来た。

肌の状態を伝え、現在処方されている薬の説明をしてもらう。

今日で最後なので、お世話になったことを伝える。

次の抗がん剤の副作用はわからないけど、取りあえず吐き気からは解放されるのかな。

次はアルコールを含まない抗がん剤だろうから、酔っぱらうこともなさそうだ。

点滴のしずくを眺めながら、そう思った。

最後だと思うと、点滴のしずくすらいとおしく思える。

 

全ての点滴が終わり、体温と血圧も異常がないため、病院から解放された。

最後のほろ酔い気分のバス。

もう夏も終わり、季節は秋へと歩を進めている。

抗がん剤を投与し始めたころは、終わってもまだ陽が高かったが、今は終わると陽がかなり傾いている。

自分の治療も一歩前に進めたんだ。

予定通りに行くと、11月には治療が終わる。

今年中に何とかなるんだ。

まだ治療の折り返し地点なのだが、開放感だけを感じながら、帰途についた。