抗がん剤投与の日。
ひたすらだるい。
でも熱はない。
お腹の具合もよくない。
下痢っぽい(お食事中の方、すみません)。
そして相変わらず、バスは来ない。
今日もまた、駅から病院まで1時間はかかっている。
そして採血が終わるまでも1時間。
先週までの冷夏とは打って変わって、夏がこのままでは終われないとでもいうかのように復活してきた。
頭頸科の近くは混んでいたので、比較的すいている総合受付の近くに座っていた。
ボーっとしていると、いつの間にかお昼近くになった。
あれ、今日はまだ呼ばれないのかななどと考える。
あっ、まだ頭頸科に受付をしていない。
そう思い、慌てて頭頸科の窓口に行き、受付をする。
総合受付で受付をして、採血室で採血をしたあと、頭頸科で受付をしなければならないのだ。
何回も来ているのに、頭からそのことが抜け落ちるほど、ボーっとしていた。
抜けるのは髪の毛だけで十分だよと、自虐的なことを思ってみても、誰も笑ってくれる人はいない。
ほどなくして呼ばれると、診察室には主治医ではなく、副主治医がいた。
「今日は遅かったですけど、どうしたんですか?」と聞かれたので「すみません。体調があまりよくなくて」と答える。
「今日はまだ問題ないのですが、血糖値が上がってきているんですよね。このまま上がってくると、インターバルを開けて様子を見て、血糖値が下がってからの治療になるかもしれませんよ」
全ての抗がん剤がそうというわけではないが、抗がん剤には糖が使われていうものが多くある。
なので糖尿病を併発する人が多いらしい。
いったん治療を中断されると、がん細胞が再び拡がる可能性がある。
それは困る。
だからといって通常の糖尿病予防のように低糖質の食事をすれば糖が下がるというものではない。
なぜなら今日もこれから大量の糖を体内に入れるのだから。
取りあえず今日からなるべく炭水化物を取らないようにして、ほかにできることはあるのか。
今まで順調に行っていたかと思っていた治療に、暗雲が拡がっていくのを感じた。