外国語の参考書を買うと、ほとんどの言語でカタカナでルビがふってあります。

確かに初心者だと、発音の目安にはなります。

しかしこれだとカタカナでしか発音できなくなります。

外国語には日本語にない音がたくさんあります。

英語でもthの発音は日本語にはないし、日本語ではlとrを区別していません。

英語の母音で日本語にない音はいくつかあります。

 

フランス語ではrの音はカタカナで表すことができません。

語学書には「喉の奥からうがいをするように出す音」などと書いてあるものもあります。

つまりFranceもParisも本当は、カタカナで表すことはできないのです。

個人的にフランス語の一番フランス語らしい音であると思っている鼻母音も、カタカナでは無理です。

特にカタカナでは「アン」と書く音は2種類あります。

※発音記号上3種類ですが、現在そのうち1種類はほかの発音と同じになってきています。

これもフランス語っぽいよねと感じる、あいまいな母音の発音。

jの発音も、正確には日本語と違います。

 

アラビア語のrは巻き舌です。

カタカナにすると、カ行・タ行・ダ行が2つ、サ行・ザ行・ハ行が3つあります。

日本語にある音とない音です。

ガ行の音は日本語と違います。

 

タイ語のrの音も日本語とは違います。

カタカナにするとカ行・チャ行・タ行・パ行が2つあります。

母音が9つあるので、カタカナにするとエ段とオ段が2つ、ウ段が3つあります。

さらにタイ語には中国語にあるような声調があります。

中国語は四声ですが、タイ語は五声です。

 

なのでフランス語はかなり、アラビア語は結構、タイ語はほとんど、カタカナ表記は無理なのです。

冒頭にも書きましたが、カタカナで覚えてしまうと、カタカナでしか発音できなくなります。

カタカナ発音だと、ネイティブの人には理解してもらえない場合もあります。

せっかく勉強するのだから、ネイティブの人と会話は楽しみたいですよね。

カタカナのルビは最初は便利かもしれませんが、外国語学習においては最終的に不便になると思っています。