帰宅して、検査結果ががんだということを、結果を心配してくれている人にメールを打とうと思った。

でも「がんだった」とメールが打てない。

「がんだった」と書くと、自分ががんであるということを認めてしまうということになる。

がんと診断されたんだから、もうがんであることには違いない。

でもメールが打てない。

がんだと打てない。

 

時間にすると1時間は経っていたのかもしれない。

自分の中では何時間にも感じた。

ようやくがんだったということをメールする。

もうすぐ夏至、1年で一番昼が長い季節。

それでも気づけば、夜になっていた。

 

明日仕事に行くことができるのだろうか。

笑った顔ができるのだろうか。

「普通」でいることができるのだろうか。

そんなことだけが浮かんでくる。

 

そして今夜眠れるのだろうか。

明日起きられるのだろうか。