「この本は基本的過ぎて○○試験には向かない」
by 勘違いの資格マニア
こんな言葉を良くamazonのレビューで目にしますが、
正直なところ意味不明です。
そもそも、参考書と言うものは、
試験のレベルに合わせて選ぶものではありません。
例を挙げましょう。
例えば、試験のレベルがレベル5だとします。
これに対して、これだけの参考書があるとします。
参考書A(レベル1→レベル2用)
参考書B(レベル2→レベル3用)
参考書C(レベル3→レベル4用)
参考書D(レベル4→レベル5用)
で、最初に出てきた「勘違いの資格マニア」さんは、
参考書Dにしか目が行かないのでしょう。
そして、世の中の参考書群も
ほとんどが参考書Dにあたるものです。
理由は簡単で、参考書A~Cでは
最終目標が達成できないので
「勘違いの資格マニア」さんからクレームが来るからです。
しかし、真の勉強マニアからの需要はあるので、
参考書A~Cに位置する書籍は
それとなく存在はしています。
例えば、今の自分のレベルがレベル2である時に、
最小の労力でレベル5の実力をつけるには
どの参考書を選びますか?
参考書A(レベル1→レベル2用)
参考書B(レベル2→レベル3用)
参考書C(レベル3→レベル4用)
参考書D(レベル4→レベル5用)
答えは、参考書B、C、D全てをやる事、
場合によっては参考書Aからやっても良いかもしれない。
「それでは最小の労力にならないのでは?」
いえ、むしろ参考書Dだけで勉強した方が
労力がかかります。
勉強が出来る人が、自分のレベルが2なのに
やむを得ず参考書Dだけを使って勉強する場合、
こんな流れで理解していきます。
▼参考書Dを使ってレベル2の人が学ぶには
1.参考書D(レベル4→レベル5用)の記述を分析し
2.そこからレベル4→レベル3へと自力で遡る
3.そこからさらにレベル3→レベル2へと遡る
4.次に、レベル2→レベル3へと再度発展させる
5.さらにレベル3→レベル4へと発展させる
6.最初に参考書に書いてあった記述と
矛盾しないことを検証する
7.上記6のフェーズで矛盾があれば、
再度1~6を繰り返す
こんな事を全項目について繰り返して理解します。
丸暗記は勉強じゃないので問題外です。
理解していないことを「分かった」とは言えないでしょう。
そして、この過程でもっとも時間がかかり苦しむのは、
2や3の下のレベルに遡る作業なのです。
もちろん、この作業は地頭力を作るトレーニングになります。
そして、このスキルが必要な場合も多々あります。
ですが、人生で使える時間は有限です。
ならば、近道があるならそれを使えば良いと思うのです。
今、あなたのレベルが2だとしたら、
参考書Dを10冊勉強するよりも
参考書B、C、D計30冊を勉強する方が
はるかに効率が良いのですから。
学びの冒険者 原口直敏