私たち一般庶民にとって、生活が苦しくなるインフレは大変迷惑ではありますが、とはいえ、インフレが必ずしも悪かというと、そうとも限りません。

 実は、インフレとは“好景気”を指す言葉でもあるのです。

 

 もちろん、物価さえ上がれば好景気なのかというと、そうではありません。

 たとえば、物価上昇と不景気が同時に起きるスタグフレーションというのがあります。主に原料高、資源高などの外的要因によって、不景気にも関わらず、インフレが起きてしまう状態のことで、賃金も上がらないため、生活をしていくのが非常に困難な状態になります。

 

 現在は、インフレ率ほどではないとはいえ、賃金上昇も起きています。今後、日本に好景気がやってくるのかどうかは、定かではありませんが、もし、インフレ率並みに賃金が上がっていけば、好景気と判断される日が来るかもしれません。

 

 一方、デフレとは、賃金も物価も上がらない状態のことを言います。

 デフレ期の日本では、賃金が上がらなくても、物価も上がらないので、何とか食べていくことができました。そうはいっても経済が停滞し、出口の見えない不安感があったのも事実でしょう。

 

 今年1月にがんでお亡くなりになった経済アナリストの森永卓郎さんは、デフレについて、自著でこう述べています。

 

デフレは労働者である庶民にとってはろくでもないものだ。会社の業績が悪くなるから給料が上がらず、リストラの口実を与えてしまう。でも金持ちにとっては本当にありがたい。(中略)

 私の3億円(の資産)でも、外資系金融機関に運用を任せれば3%から4%で十分に回してもらえると、金融に詳しい経済評論家が私にアドバイスしてくれた」(『庶民は知らないデフレの真実』、森永卓郎著、2012年、KADOKAWA)

 

 森永さんは、メディア出演に書籍執筆にと、一生懸命働いた結果、3億円の資産ができたそう(執筆当時)ですが、これを年利4%で回せば年間1200万円の収益を上げられ、さらにデフレで毎年2%ずつ物価が下がるとすると、元本が600万円増え、年間収入が1800万円となります。しかもデフレで増えた600万円には税金がかからないため、お金持ちにとってはデフレ様々だと言うのです。

 

 ところがインフレになると、全てのことが逆回転になります。資産家の資産は目減りする一方、資産がない庶民はへっちゃらです。企業の業績は上がり、給料も増えます。

 

 ものが高くなるというのは、確かに愉快なことではないかもしれませんが、長年、デフレに苦しんできた日本にとって、インフレは悪いことではないと思っています。

 

 今後、仮にあなたの会社の昇給率がインフレ率に追いついたとしても、その後も経済は上がったり下がったりを繰り返します。

 従って、大事なのは経済がインフレかどうかよりも、インフレにも負けない資産を築けるかどうかです。

 

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 インフレにも負けない資産の築き方を学んで、将来の不安を払拭していきましょう。

 

俣野成敏


 

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