新NISAが始まってから、投資信託が好調な日本の金融業界。今年は34年ぶりに日経平均株価がバブル期の最高値を超え、「2024年は日本の投資元年だ」との声も聞こえてきます。

 

 とはいえ、実際のところは「円安による資産の目減りを減らしたい」という思いから、海外株式を購入する流れになっているようにも見受けられます。

 一体どうしたら、他人に流されずに将来性のある銘柄を見つけることができるのでしょうか。

 

 世界3大投資家の1人と言われるウォーレン・バフェット氏は、かつてこのように述べています。

 

「あなたが投資を検討している資産に対して、将来の収益を予測するのが難しければ、忘れて次に進みなさい。すべての投資の可能性について予測のできる人間なんてどこにもいません。全知全能である必要はないのです」(『カリスマ投資家の教え』川上穣著、2017年、日経BP社)

 

 元来、予測が簡単な投資などありませんが、それでもコツはいくつかあり、その1つが「長期的目線を持つ」ことです。

 

 市場では、需要と供給に応じて、価格が常に上下を繰り返しています。この価格の変動幅のことを、ボラティリティと言います。

 まず、インターネットなどで株価や為替の変動図を検索し、「1週間」「1ヶ月」と短期で区切ってみてください。短期的には、変動幅が大きく見えるものでも、「1年」「5年」と選択範囲を長くすることで、同じ銘柄でも波が穏やかになったように見えます。

 ここから、「長期目線から投資を検討することで、価格差はある程度、許容できる」ことがわかります。

 

 このように、投資とは時間軸を長くすることで、予測精度を上げることが可能となります。長い間にプラスとマイナスが相殺されるため、予測がしやすくなるわけです。

 ですから、長期目線を持ってしても、将来の予測が立てられない場合、その銘柄はすでに投資対象から外れていることを意味します。

 

 かつて、バフェット氏はIT企業には投資をしないことで有名でした。そんなバフェット氏が、初めてAppleに投資を行ったのは2016年のこと。その前に、IBMやORACLE(オラクル)などにも投資を行いましたが、こちらは早々に手仕舞いをしています。

 バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイのポートフォリオを見ると、一見、保守的な企業が名を連ねているようにも見えますが、実際はAmazonやAppleなどを通じて、AI分野との接点も保持しています。

 

 現実問題として、投資で将来のすべてを見通せることなどありません。通常は、はっきりとは見通せない状況の中で、判断を下していくのが普通です。

 結局のところ、人生も投資も持久戦ですから、紆余曲折があって当たり前です。途中でどのようなハプニングがあろうとも、最終的に目指すゴールにたどり着きさえすればいいわけです。

 

 名言の中にある「忘れて次に進みなさい」に込められた意味とは、「失敗を恐れることなく進め」という、氏からのメッセージなのではないでしょうか。

 

俣野成敏


 

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