数年前から、早期リタイアを表す言葉として、FIREが定着しています。

 FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略で、経済的に自立した状態と早期退職を掛け合わせた状態のこと。簡単にいうと、「必要なお金を資産運用で賄えている状態」のことを言います。

 

 FIREが流行り始めたばかりの頃は、仕事を辞めることに主眼が置かれていましたが、現在は、経済的自由を手に入れることに比重が移りつつあります。

 実際にFIRE達成後も働いている人は結構いて、リタイアするかどうかは、以前ほどこだわらなくなってきているように感じます。

 

 FIREは、従来の早期リタイアと何が違うのでしょうか。

 かつての早期リタイアは、目標とする資産を築いたら、基本的に、後はその資産を切り崩して生活していく、というものでした。

 対するFIREは、資産運用を行い、基本は運用益で生活します。つまり、元金を減らしません。

 

 仮に、資産をコップに入った水だとすると、従来のリタイアは、コップの中の水を飲んで渇きを癒していました。

 一方、FIREはコップの中の水ではなく、コップから溢れ出てきた水だけを舐めて生活することです。つまり、コップの中の水には手をつけません。

 両者の違いは、資産を運用するかどうかです。

 

 FIREという考え方が生まれてきたのは、人間の長寿化と関係があります。

 人の寿命が定年後の数年で終わりを迎えていた頃は、資産を切り崩しても問題ありませんでした。しかし今は、資産運用をしないと、寿命を迎える前に資金が尽きてしまう可能性があります。

 不安のない老後を過ごすには、一生、資産形成と付き合っていかなければならない時代になったのです。

 

 では、そのFIREを達成する方法ですが、基本は以下の2つです。

 

1、4%ルール

2、25倍の法則

 

 4%ルールとは、「生活費などの必要資金を、運用元本の4%以内に抑えられれば、資産の目減りを防いで生活することが可能」というものです。

 理論上、年間支出の25倍の資産を築くことができれば、年利4%の運用益で必要資金を賄えます。たとえば、年間400万円の支出をしている人であれば、それを25倍した1億円の資金を作って運用すればいい、ということになります。

 

 ただし、ルールがシンプルだからといって、FIREも簡単にできるのかというと、そうではありません。1億円の資産を作るという点1つをとっても、超えがたい壁のように感じている人もいるのではないでしょうか。

 FIREとは、がむしゃらに倹約して、そのお金を博打的な投資に賭けて達成するようなものではありません。FIREを実現するには、戦略が必要なのです。

 

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俣野成敏

 

《参考文献》

ダ・ヴィンチweb:2021年12月24日、日経X Woman:2023年4月19日、他


 

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