相変わらず、高値が続く新築マンション。販売価格が1億円を超える“億ション”も珍しくなくなり、一般人が購入するのは難しい状況です。
ところが、マンション価格がこれだけ高くなっているにも関わらず、支払い総額はバブル期の半分以下になっているという試算があります。たとえ価格が高くても、その分、ローン金利が低ければ、支払い金額は安くなるためです。
たとえば1億円のマンションに対して、頭金を2000万円入れ、残金8000万円を30年ローンで購入した場合で比較してみましょう。バブル期の金利7%が適用になった場合、支払額は月額53万2000円になるのに対して、仮に変動優遇金利0.5%が適用になった場合は、月額23万9000円の支払いで済みます(日経新聞Web版:2024年5月2日参照)。
今年の3月にマイナス金利が解除になったことで、固定金利はじわじわと上昇してきています。変動金利も、将来的には上がることは確実と見られていますが、それでも多くの人が変動金利を利用しているのは、支払金額を抑えられるからに他なりません。
現在、高額なマンションを購入する方法として、巷で行われている対策とは以下の3つです。
1、依然、続いている低金利を利用して購入する(上記でお話しした通り)
2、返済期間を延ばして、月々の返済額を少なくする
3、家族で収入を合算するペアローンなどを利用して購入する
日本では、これまで35年の住宅ローンが当たり前に行われてきましたが、最近、ついに50年ローンが登場しました。完済時年齢が80歳未満であることなど、いくつか条件があるものの、基本的には普通の住宅ローンと変わりません。
50年住宅ローン 毎月負担は軽減
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD21AF40R21C23A1000000/
ペアローンや50年ローンなどで気をつけたいのは、支払いが長期間に渡ることから、不測の事態が起きる可能性があるということです。
早ければ、2024年中にも日銀は利上げを始めると言われています。そうなれば、いよいよ変動金利も上昇を始めるでしょう。
仮に、変動金利が上昇を始めても、急激に上昇することはありませんが、現在、変動金利で住宅ローンを組んでいる方は、早めに対策を講じておくことが求められます。
方法としては、固定金利に借り換える、手元資金を使って繰上げ返済を行う、等が考えられます。仮に金利が上がったとしても、「返済額の見直しは5年に一度」「返済額の増加は、最大1.25倍まで」という救済措置もありますから、それらを上手く活用して、金利上昇による衝撃をなるべく抑えるようにしたいものです。
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俣野成敏
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