世界3大投資家の1人と呼ばれ、世界中から尊敬を集めるウォーレン・バフェット氏。今なお、その一挙手一投足に注目が集まっています。

 

 特にここ数年は、日本の5大商社株を購入し、日本の株高を牽引したというので、まさに“投資の神様”の異名に相応しい活躍ぶりです。当然、日本にもファンは多く、「バフェット氏にあやかりたい」という人も大勢います。

 とはいえ、バフェット氏と私たちでは、規模が違い過ぎますから、たとえ同じことをしたとしても、結果も同じになるとは限りません。

 

 バフェット氏自身は、一般人にどのようなアドバイスをしているのでしょうか。過去の氏の発言の中から見てみましょう。

 

「満足のいく投資のリターンを得るために、あなたが専門家である必要はありません。ただし、あなたが専門家でないのなら、自分の限界を悟り、そこそこの結果を得るためのたしかな道を進むべきです。短期的な儲け話があったら、即座に『NO』と答えなさい」(『カリスマ投資家の教え』川上穣著、2017年、日経ビジネス人文庫)

 

 こちらの名言は、バフェット氏が毎年、株主に宛てて書いている「バフェットからの手紙」の中から抜粋したものです。手紙の内容は奥深く、また株主への愛情に満ちあふれたものになっています。

 

 もともと投資とは自由市場ですから、基本的に誰でも参加が可能です。「プロとアマが同じ土俵で戦っている」というのが投資の世界です。

 しかし、たとえばスポーツの場合だと、こうはいかないでしょう。プロとアマの世界は明確に分かれていますし、アマチュアの人がプロに勝てることは、ほとんどありません。それは、経験と練習量の違いです。

 つまり、プロとアマでは、投じられる時間が圧倒的に違うのです。

 

 一方、投資の場合、「お金を投じる」という行為自体は、プロもアマも同じです。基本的な操作も難しくはないため、誰でもできるという錯覚を覚えます。

 しかし実際は、ここでも投じられる時間と経験知がモノを言います。よって、アマはプロと同じ方法を踏襲するだけでは勝てません。

 バフェット氏は、名言を通じて、このことを株主に伝えようとしたのです。

 

 元来、プロの投資家と兼業投資家では、取れるリスクの大きさが違います。そんな私たちでも、そこそこの結果を得ることだったら可能だ、というのがバフェット氏の答えです。

 もちろん「そこそこの結果でいいから」というので、銘柄選びを適当にしてもいいのかというと、そうではありません。そこそことは、あくまでも「ハイリスクハイリターンを狙わない」くらいの意味でしかないからです。

 

 そこそこと言えるようになるためには、前もって、自分の資産計画をもとに「これくらいは必要」という利回りを算出しておく必要があります。どの銘柄がいいのかは、その後の話です。

 要は、「自分にとって必要最低限の利回りは何%なのか?」がわかっていないと、何がそこそこなのかもわからない、ということなのです。

 

俣野成敏


 

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