誰にとっても、お金は大事だと思います。
なのに、人は時として、お金をぞんざいに扱ってしまいがちです。たとえば、よくわからない詐欺師にお金を渡してしまったり、リスクの高い投機的な金融商品にお金を投じてしまったり。
逆に、失う危険性にばかり目を向けても、投資をすることができなくなってしまいます。
このような状況下でも投資を行い、勝てる方法というのはあるのでしょうか。
世界3大投資家の1人であるウォーレン・バフェット氏は、かつてこのように述べています。
「ルール1:お金を失わない ルール2:ルール1を忘れない ルール3:借金をしない」(『カリスマ投資家の教え』川上穣著 日経ビジネス人文庫)
この名言で、バフェット氏が言いたいのは、「お金を失うような行動をする限り、絶対にお金は貯まらない」ということなのだと思います。
ご存じの通り、投資にはリスクがあります。つまりお金を失う可能性があります。
投資を行えば、お金は増える可能性も、減る可能性もあります。「投資をしない」という選択肢もある中で、「投資をする」という選択をし、かつ成功を収めたいのであれば、正しいリスクの取り方を知らなければなりません。
おそらくバフェット氏は、お金を増やすことと、失うことを、イコールで見ているのでしょう。なぜなら、リスクを取らない限り、お金は増えませんから。
では、正しいリスクの取り方とは、一体どのようなことを言うのでしょうか。それは、自分にとって「たとえこの投資が失敗しても、命取りにはならない」という範囲を知り、その中で投資を行う、ということです。
たとえば、10億円の資産を持っている人が、100万円の投資を行った結果、その100万円を失ったとしても、「明日から生活できない」という状態にはならないでしょう。
しかし100万円の貯金しか持っていない人にとっては、同じ100万円の投資であっても、意味がまるで違います。もし、その100万円を失ってしまったら、その人は明日からギリギリの生活を強いられるかもしれません。
このように、人によって、取れるリスクは違います。リスクは、その人が所有している資産だけでなく、家族構成や仕事の状況などによっても変わってきます。
もし、これから投資をしようとしている人が、商品のリターンしか目に入っておらず、さらに自分が負えるリスクがどれくらいなのかも理解していないのだとしたら、そもそも「リターンとリスクのどちらがより可能性が高いのか?」と比べることもできないでしょう。
比較ができない以上、本当の意味でのリスクを取ることなどできないのです。
お伝えしたいのは、「私たちのような一般投資家が、大きなリスクを取るべきなのは、投資ではない」ということです。
ご自身が、プロとしての勘や経験を培ってきた本業においてであれば、ある程度の未来予測ができ、勝負時がいつなのかも熟知しているでしょう。
しかし、それをそのまま投資に持ち込んでしまうと、思わぬ火傷を負いがちだということなのです。
俣野成敏
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