どんなものにも、流行り廃りはあります。もちろんビジネスとて同じです。

 

 コロナ前までは、フリービジネスモデルが大変な勢いで成長していました。フリーモデルとは、大多数のユーザーには無料でサービスを提供し、一部の有料ユーザーや、企業がサービス料を支払うことで成り立っているビジネスのこと。FacebookやGoogle、ゲームアプリなどが、その典型です。

 

 もちろん、今でもフリーモデルは多くの企業で採用されていますが、コロナ禍を経て、急速な巻き返しの動きも出ています。X(旧Twitter)が今後、有料化を検討しているというニュースが流れているように、以後は無料では成り立たないビジネスも出てくるでしょう。

 

 たとえば、YouTuberは高額な広告料を稼ぐ仕事として、小学生が「将来なりたい職業」として挙げるほどの人気です。しかし最近は、広告料が激減したり、突然、動画から広告を外されたり、といった事例が相次いでいます。

 YouTubeの動画は、基本的には増える一方ですから、YouTuberにしてみれば、時間が経てば経つほど、市場が飽和状態になっていくことは避けようがありません。

 

 このような状況ですから、実際に稼いでいるYouTuberは、一部の人に限られます。

「だったら、自分が出演するのではなくて、著名なYouTuber動画のいいとこ取りをしてしまえばいいのでは?」と始まったのが、切り抜き動画でした。

 これが、世間の「長いオリジナル動画をダラダラ見ているよりも、コンパクトに要点だけ見たい」という潜在需要とマッチしたのです。

 

YouTube切り抜き動画 2次利用で収益も分配

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD014GV0R00C21A8000000/

 

 たとえば、2ちゃんねるの発起人だったひろゆきさんなど、名だたるYouTuberの動画の見どころを、第三者が切り出して編集・投稿する切り抜き動画が、新たなジャンルとして定着しています。

 

 YouTubeには、投稿されたコンテンツをスキャンし、管理するContent IDというシステムが備わっています。他人が自分の動画を使用すると、著作権者に通知がいき、「動画のブロック・トラッキングによる追跡・広告料を分配する収益化」のいずれかが選べます。

 ひろゆきさんの場合は、広告料を制作者と折半しているということです。

 

 ただ、最近は切り抜き動画による弊害も出ているようで、「オリジナル動画を観てもらえなくなる」「オリジナルの品位を落とすような内容が氾濫している」などの理由で、著名なYouTuberの中にも、自身の動画の切り抜き禁止を表明する人が出てきています。

 

 切り抜き動画は、いわばコバンザメ商法です。著名なYouTuberと対等に契約し、相手とWINーWINの関係になれるというのですから、弱者の戦略としては、なかなかのものかもしれません。

 いずれにせよ、拡大し続ける動画市場に「何らかの形で食い込みたい」と考えている人にとって、切り抜き動画は依然、参入しやすい市場だとは言えるでしょう。

 

 今、この文章を読んでいる人の中に、「副業に興味があるけれど、何を始めたらいいのかわからない」とお悩みの方がいましたら、下記の書籍がお勧めです。よろしければ1度、お手に取っていただけたら幸いです。

 

俣野成敏


 

『サラリーマンを「副業」にしよう 「給料袋」もう1つ増やす方法、教えます』

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