こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 前回は、相談者のI氏より「暗号資産がなくなった」との依頼を受け、対策チームが調査に乗り出したところまでお話しました。

 

 対策チームが指定のウォレット内を調べたところ、そもそも暗号資産が入っていた痕跡自体がありません。

 こうなってくると、残された可能性としては「I氏の暗号資産は、他のアドレスに入っているのではないか」ということが考えられました。

 

 たとえば、私たちが銀行口座を利用する際も、「給与振込用の口座」「公共料金支払い用の口座」「貯蓄用の口座」等、いくつか作ってやり取りしていることはよくあります。

 対策チームは、I氏にウォレットの復元を提案します。つまり、今あるウォレットをアンインストールし、もう一度最新Verで復元した後に、内部をくまなく調べるという方法です。

 

 その後、I氏の了解のもと、ウォレットの復元が行われました。言葉で言うのは簡単ですが、不慣れな人がこれまで使用していたものをオールリセットするのは、とても勇気が要ることです。

 復元の結果、メインウォレットに紐付けられていた、もう1つのウォレットが発見されました。I氏が探していた暗号資産は、そのウォレットの中に入っていたのです。

 

 通常、ウォレットアプリは、複数のウォレットアドレスを管理できるようになっています。おそらくI氏の場合、以前は紐付けられていたアドレスが、バージョンアップをした際に、認識できなくなってしまったのでしょう。

 アプリの特性上、I氏が最初に見ていた暗号資産の金額は、2つのアドレスの合計金額でした。ところがI氏は、その金額が1つのアドレスの中に入っていると勘違いしていたのです。

 

 無事に資産が見つかったI氏は、過去の行動を反省し、現在はハードウェアウォレットを購入して、厳重に管理しているということです。

 

 暗号資産業界は、最先端の分野であり、法律も制度も追いついていません。ユーザーは、保護が十分ではない業界であることを認識した上で、参入するかどうかも含めて、自ら決定を下し、情報をアップデートしていかなくてはならないのです。

 

 以上のような状況から、暗号資産の保管には、利便性は少々劣るものの、ハードウェアウォレットの使用をお勧めします。

 

 ウォレットにはいくつか種類があり、たとえばモバイルウォレットなどを使えば、確かに便利ではあるでしょう。しかし万一、暗号キーを他人に知られてしまったら、資産を盗まれてしまう可能性があります。

 基本的に、利便性と安全性は反比例するとお考えください。

 

 また、ハードウェアウォレットを使用する場合も、注意が必要です。たとえ有名ブランドの正規代理店であっても、二次販売の商品を購入すると、事前にウイルスを仕込んだものを掴まされてしまう可能性も否定できません。

 中古品もやめたほうがいいでしょう。買うなら必ず新品で、なるべく信用できるメーカーの直営店から購入するようにしてください。

 多額の暗号資産を扱う場合は、銀行の貸金庫や、自宅に金庫を置くことも、ご検討いただければと思います。


 

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 もし、暗号資産に関してお困りのことがございましたら、下記の無料相談フォームより、お知らせください。この文章をお読みの方限定で、暗号資産のお困りごとについてワンポイントアドバイスを無料で行います。

 

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 なお、レスキューの難易度は千差万別であり、必ずしも成果を保証するものではございません。お預かりした情報は、秘密厳守にて取り扱い、あなたに無断で外部に提供することはございません。


 

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