こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 暗号資産の時価総額は現在、1兆1900億ドル(約166兆円、Coin Desk JAPAN:2023年4月5日)にまで拡大。様々な問題を孕みながらも、市場は成長を続けています。

 

 暗号資産が広まるとともに、問題になっているのが“紛失”です。

 デジタル通貨である暗号資産は、基本的にネットワーク上から消えることはありません。しかし現金などでは起こり得ない、別のリスクが存在しているのも事実です。

 

 以前、私の元に「ウォレットの中に入っていた暗号資産がなくなった」という相談が寄せられたことがあります。ここでは、相談者をI氏としておきましょう。

 I氏の話を聞いて、私は対策チームに連絡を入れました。こうして、I氏とのやり取りが始まったのです。

 

 I氏が所持していたのは、暗号資産の御三家(ビットコイン、イーサリアム、リップル)とも呼ばれるメジャー通貨の1つです。暗号資産の黎明期に購入し、今ではかなりの額になっていました。

 I氏の話を要約すると、以下のような内容でした。

 

・取引所のウォレットは使用せず、ウォレットアプリを使用していた。

・ウォレットは知り合いに勧められて開設した、マイナーな海外企業のもの。

・3年ほど前にアプリをアップデートしたところ、それまで表示されていた暗号資産が突然、表示されなくなった。

・英語の警告文が読めず、怖くなって今まで放置していた。

・資産を動かす暗号キーは自分で管理していたが、資産は動かしていない。

 

 ウォレットとは、一般に電子財布と訳され、あたかもそこに暗号資産が入っているかのようなイメージを与えます。

 しかし、ウォレットとは本来、ウォレットアドレス(口座番号に相当)や暗号キーの管理を行うためのもの。それらに、資産を動かすための操作機能を加えたものが、ウォレットアプリです。

 

 だったら、暗号資産はどこにあるのかというと、ブロックチェーンと呼ばれる電子台帳に記録されています。

 デジタル通貨である暗号資産には、コインなどの実物がありません。暗号資産とは、通貨の権利移転を記録した取引データのことです。

 

「データがお金なの?」と思う人もいるかも知れませんが、そういう人は、預金を思い出してみてください。預金も、現金のやり取りなく、遠方の相手にも瞬時にお金を送ることができます。預金も、データなのです。

 

 つまり紛失といっても、実際に暗号資産がネットワーク上からなくなるわけではありません。盗難というと、現金の場合は物理的に持ち去られることを意味しますが、暗号資産の場合は、通貨を動かす権利が第三者の手に渡ってしまうことを言います。

 暗号資産は匿名性が高いため、誰のものかはわからなくても、通貨を動かした記録は残るわけです。

 

 I氏から依頼を受けた対応チームが、I氏の指定したウォレットアドレスを調べたところ、ハッキングなどの形跡はありませんでした。それどころか、I氏の言う暗号資産が存在した形跡もありません。

 

「これは、どういうことだろう?」

 対策チームは、頭を抱えました。取引所も利用しておらず、ハッキングの可能性もないというなら、暗号資産は一体どこへ消えてしまったのでしょうか。


 

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 なお、レスキューの難易度は千差万別であり、必ずしも成果を保証するものではございません。お預かりした情報は、秘密厳守にて取り扱い、あなたに無断で外部に提供することはございません。


 

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