円安やインフレに備え、資産の一部を外貨に替えておくことは、有効な選択肢です。

また、コロナ感染症による規制が解除されつつあり、海外渡航をする方も増えています。

 

 そこで、海外送金や外貨両替の機会が出てくるわけですが、見落としがちなポイントがあります。ここ最近、「それはもったいない!」と思う場面に何度か出くわしましたので、今回は、この2つの盲点について号外として解説しようと思います。

 

 世界中の銀行は、「SWIFT」と呼ばれるネットワークで繋がっています。このSWIFTのおかげで、直接的な関わりのない銀行同士でも、中継銀行(コルレス銀行)を介してやり取りできるようになっています。銀行間の情報リレーと考えるとわかりやすいかもしれません。

 

(送金元)A銀行 → 中継銀行 → (受取先)B銀行

 

 しかし、いくつかの銀行が送金に介在することで、2つの大きな問題が生じます。

 

 1つ目は、「手数料の高さ」です。

 

 海外送金では、送金に関わる銀行でそれぞれ手数料が発生します。送金元のA銀行では送金手数料、中継銀行ではコルレス手数料、そして受取先のB銀行では受取手数料というように。場合によっては複数の中継銀行をはさむ場合もあり、さらに余計に費用がかさんでしまうこともあります。

 

 もう1つ見逃せないのが、両替手数料です。銀行が示す独自の為替レートの中には為替手数料が上乗せされていることがほとんどですが、当然のように、それは銀行に有利な設定になっています。俗に「隠れコスト」です。これにより、平均約5%の損をする形になります。

 

 どれくらいのインパクトになるのか、具体例で見てみましょう。

一例として、執筆時点のレートで日本円(1万円)をUSドルで海外送金すると仮定して、どれだけ受取額が変わるのか、具体的に比較してみます。

 

会社  為替レート  海外送金手数料   受取額

A社  143.505     142円    68.69ドル

B社  144.420        6000円        27.70ドル

 

 その差は、実に40.99ドルです。(5,882円相当)

10,000円の送金をして、6,024円目減りする訳ですから、

特に、少額では使い物にならないことは明白です。

 

 ちなみに、例示したA社は、私も利用している「WISE」という金融サービスで、B社とは、天下の都市銀行(MUFG)です。

 

 2つ目は、「時間がかかる」ことです。

 

 各銀行が個別処理を行うため、銀行による海外送金は、着金までに3〜5日程度かかることが一般的です。時差や各国の休日等の影響で、それ以上かかることも珍しくありません。

 

 高額コストがかかる上に、時間もかかる銀行の海外送金。

それらの不満要素を画期的にクリアしたのが、「WISE」。「WISE」では、売り相場と買い相場の中間に値するミッドマーケットレートを用い、手数料を独自に上乗せすることもありませんし、送金の40%が即時(手続きから20秒以内)、80%が24時間以内に届きます。

 

 強いてデメリットを挙げるとしたら、1アカウントに100万円までしか保有できず、銀行ではないため利息がつかないことです。

 

 別の言い方をすると、無料で約50通貨を100万円まで保持することができますから、為替動向を見ながらアカウント内でいくつかの外貨保有をすることも可能です。

100万円を超える金額になった場合にはアカウント一時凍結のリスクが出てきますが、それを回避するために、100万円を超えた場合に自動的に振り替えする口座も予め指定することができます。

 

 日本にいながらにして、オンラインで世界にアクセスできる便利なツール。デビットカードを作れば、リアル店舗の買い物や海外ATMでの両替も、非常に低コストで利用できます。

 

Wise(ワイズ):グローバルなアカウント | 国境のない金融

https://wise.com/invite/u/narutoshim1

*こちらから申込みすると、最大75,000円までの送金手数料が無料になります。

 

用途がある方は、ぜひ試してみてください。

 

俣野成敏