こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 一時期、FIREという言葉が流行りました。いわゆる早期リタイアのことです。

 

 テレワークが進んだ現在でも、依然「仕事や会社から解放されたい」と願う人は多くいます。FIREを実現するためには、貯蓄はもちろんのこと、資産運用や節約と組み合わせ、それを日常生活に落とし込む必要があります。

 

 仕事を辞めれば当然、労働収入がなくなることを意味します。若いうちは、資金が底をつきても最悪、働けば済みますが、年を取ってからその状態になってしまったら、働く場所もなくなっているかもしれません。

 世間では、FIREというと「自由で好きなことをして暮らす」というイメージがあります。しかし実際は、かなり入念な準備が必要な上に、マネープランが必須であることを、ぜひ知っておいていただければと思います。

 

 私は仕事柄、よくお金の相談を受けるのですが、家計簿診断を行う際、面談者に「何歳で老後を迎えたいですか?」と必ずお聞きするようにしています。

 すると、たいていの方は「早めにリタイアをしたいです」と答えます。

 

 ここで今1度、マネープランの“ゴール”を確認しておきたいと思います。

 マネープランを作成する目的とは、「自分で『引退=老後に入る年齢』を決め、その時までに老後に必要とする資産を確保できている状態にすること」です。

 ですから、マネープラン作成のためには、最初に「いつ引退するのか?」を決める必要があります。

 

 少々、リアルなコンサルティング事例をご紹介しましょう。インストラクターをしているEさん(38歳、独身)のお話です。

 元来、Eさんは貯金ができないタイプで、口座には100万円もありませんでした。独り身の気楽さからか、パッパとお金を使ってしまう性分です。

 

 Eさんは、前々から「50歳には自分のジムを持ちたい」という、淡い夢を抱いていました。しかし私の知り合いのFPが、Eさんの家計簿診断をしたところ、「現状維持の場合、今から月々5万円を年利7%の投資に充てることで、何とか70歳で老後資金が確保できる」という結果が出ました。

 

「もし、50歳に入る前にリタイアしたいということになりますと、月々50万円くらいの余剰金を積み立てれば可能かと思いますが、いかがでしょうか?」とFPに通告されたEさんは、現実を前にして、返事をすることができませんでした。

 

 もともとインストラクターはカラダを使う仕事のため、「このままの勤務を70歳まで続けることはできない」と悟ったEさん。この面談以降、月に5万円の積み立て投資を始め、さらに独立資金として、月に3万円ずつ貯金を始めたということです。

 

 残念ながら、ボンヤリと楽しい未来を夢見ているだけでは、その未来は、いつまで経ってもやってきません。今ある現実を理想に近づけていくためにも、「現状認識」と「現実的な引退年齢の設定」は、非常に大事なのです。


 

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 ありがとうございました。