こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

「いつまでも若く健康でいたい」というのは、人類史始まって以来の人間の願いであり、古くから研究されてきたテーマでもあります。

 現在、その研究成果は“アンチエイジング”という分野に集約されています。

 

 最近は、食事によるアンチエイジングにも注目が集まっています。食べるという行為に、空腹を満たす以上の重要な役割があることは、すでに知られるところです。

 

 とはいえ、残念ながら「これさえ食べれば健康になれる」とか「これだけで痩せる」といった食べ物は存在しません。

 どちらかというと、特定のものを食べるよりは、質を重視したほうがいいでしょう。たとえば「小麦よりは全粒粉」「お米よりは玄米」といったように。

 

 避けたほうがいい食べ物としては、添加物(ソルビン酸、亜硝酸塩、アルミニウム等)が入った食品やトランス脂肪酸を含んだ加工食品、お菓子、マーガリン、揚げ物等々が挙げられます。

 肉や乳製品などには、飽和脂肪酸が含まれていることから、少なめに摂取するようにしてください。アルコール、カフェインなどの嗜好品も控えめに。

 

 ところで、アンチエイジングという観点から考えるなら「食べない」というのも選択肢の1つです。つまり「水分やミネラルを補った上で、適度なファスティング(断食)を行う」という方法です。

 

 2009年、アカゲザルを使った興味深い実験結果が発表され、話題になりました。アカゲザルに適度なカロリー制限を行うと、何もしなかったアカゲザルよりも、カロリー制限をしたサルのほうが若々しくて長生きしたのです。(Science、2009年7月10日号)

 

ダイエットに寿命を延ばす効果 アメリカ研究所、サルで実験

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG17HD6_Y7A110C1CR0000/

 

 食餌制限による寿命の延長は、他にも線虫、ショウジョウバエ、マウスなどでも報告されています(老年医学会雑誌第49巻1号)。生物は、ある程度の飢餓状態に置かれると、長寿遺伝子と呼ばれるサーチュイン遺伝子が活性化し、自己修復等を行うのではないかと考えられます。

 

 ファスティングを行う上で、一番の問題は「どうしても食欲を抑えられない」ということではないでしょうか。

 もし「自分は食べ物の誘惑に弱い」とお考えの人は、空腹を感じた時、すぐにお菓子に手を伸ばすのではなく、まずは「水を飲んでみる」というのも1つの方法です。実は、身体は喉の渇きを感じているのに、脳がそれを空腹と勘違いしている場合も多いのだとか。

 

 アンチエイジングに取り組む際には、“置き換え”という発想を持つことです。たとえば、何か食べる以外の楽しみを持つとか、ストレスの原因を特定し、極力、それを取り除く努力をする、といったようなことです。

 

 ファスティング自体は、素人が1人で行うのは、栄養学的に難しい面があるため、最初は何らかの形で他人から習うようにするといいのではないかと思います。以上、ご参考まで。


 

 ありがとうございました。


 

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